浅田次郎の『獅子吼』を読んだ。
短編集で、表題作を含めて5作くらいの短編が入っている。
中でも「うきよご」という作品が印象に残った。
関西から東京に出てきた浪人生と先に東京に来ていた姉とのお話であった。
「うきよご」の舞台は現在の駒場東大前駅周辺。
話の中で駒場東大前駅が二つの駅だった。というくだりが出てきた。
気になって調べてみると西の駒場駅と東の東大前駅が統合されて、今の駒場東大前駅となったようだ。
どちらかの駅に前の駅が吸収されてしまうという話は聞いたことがあったが、統合というのが珍しい。
西の駅と東の駅の間の線路の部分が今の駒場東大前駅のホームのようだ。
確かに言われてみると今の駒場東大前駅はちょっと変わった形をしている、東西の踏切が駅からかなり離れているのだ。
普通だと踏切がある場合、こんな感じだと思う。
西踏切 - 駅 - 東踏切。
同じ井の頭線の池ノ上駅とかがこんな感じである。
でも駒場東大前駅は下記のようになっている。
西踏切 - 線路 - 駅 - 線路 - 東踏切
東西の線路の区間が50メートルくらいあるのである。
不思議でしょ。
で調べてみるとそれについて紹介しているサイトを発見した。
昔は下記のようになっていたようなのだ。
西踏切 - 駅 - 線路 - 駅 - 東踏切
現地が見たくなったので実際に駒場東大前駅に行ってみた。
駒場東大前駅は通勤経路の途中にあり、私は週に2回くらいはここで降りて神泉まで歩いている。
まず元駒場駅のあたりに行ってみた。
駒場駅側は相対式ホーム(上りと下りでホームが分かれている)だったようだ。
上の写真の中央にあるコンクリート風のものがホームの名残のようである。
こっちが向かい側のホームがあったところっぽいがホームの名残りはない。
ただ、明らかに駅っぽい感じの建物がある、駒場駅が無くなったあとに建て替えた風に見えるがすごい駅っぽい。
さらに離れて建物を南から撮ると上の写真のような感じ。
駅っぽさがもっと増す、さらに写真の右側の草と木に覆われた部分が何か怪しい。建物でも建っていたのだろうか。
上の写真は駅っぽい建物だけを撮ってみたところ、駅っぽさが少しダウンしたが背景にある電線が線路の付属施設っぽい雰囲気を強めている。
上の2枚は今は駐輪場のあるあたり、駐輪場の裏にホームがあってもかしくない雰囲気である。
上の2枚は元駒場駅東側の高架下を北側からと南側から撮ったもの。
次に元東大前駅の方に行ってみた。
上の2枚は東大前駅を南側(坂の下)の坂の下から撮ったもの。
東大前駅は島式ホームだったようなのでコンクリートの部分はホームの遺構ではないが、すごく駅のホームっぽい感じが出ている。
ホームじゃないんだけど。
上の2枚の写真は元東大前駅の東側踏切。
現在は駒場東大前駅の東側踏切で、駒場東大前駅の入り口から50mくらい離れた位置にある。
今までは何気なく見たり通ったりしていたがこの踏切のすぐそばにホームがあったと思うと面白く見えてくる。
上の写真は東側踏切から駒場東大前駅を見たもの、やはり遠い。すごく遠い。
真ん中の緑の草が生えているあたりにホームがあったようである。
興味ない人にはなんのこっちゃという話だが、私は面白かった。
駒場東大前駅について載っていたサイト
http://okalab.cocolog-nifty.com/blog/2012/03/post-9109.html
http://okalab.cocolog-nifty.com/blog/2012/03/post-ac56.html