- 書名:『新装増補版 自動車絶望工場』
- 著者:鎌田慧
- ISBN:978-4062770392
- 刊行日:2011/9/15
- 価格:629円(税別)
- 発行:講談社文庫
- ページ数:384
- 形態:文庫
数年前に購入し、何回か読もうと思って手に取ったが「絶望」という文字が目に飛び込んできてイヤな気分になったの読まずここまで来た。
会社の業績不振により、減給をされ、さらに会社自体も数ヶ月先がどうなるか見えない。
2年前に上司との関係から精神的に参ってしまい、それ以降ずっと転職活動を続けているが、
まだ踏ん切りがつかない。
そんな時の会社の業績不振であり、給料カット。
私が辞めるのが先か、会社がつぶれるのが先か?
というチキンレースをしている。
その間にも気の早く賢い同僚達数人は会社を去っていった。
メンバーが減ると業務にしわ寄せが来る。
もうどうしようか・・・
という現在の私の状況へのヒントがあるかもしれないと思い、読もうと思って手に取ってはやめていた本書を読んでみる気になったのである。
ルポライターである筆者が季節工(期間限定の工員)としてトヨタの自動車工場で働いた記録が本書。
トヨタの自動車工場での奴隷のような労働が細かく書かれているが、自分の今の状況と比較するとそこまで変わらないのではないかと思ってしまう。
絶望は「希望」というものがまったく無い状態のことだが、私も仕事をしているとそのような気持ちになってくる。
上司に逆らえない状況でつぶれそうな会社で減給されながら働く、というのは絶望とまでは行かないが、絶望にちょっと近づいているように感じる。
働く喜びってなんだろう。と帯に書いてある。
確かに。
なんだろうか。
働く喜びって。
会社に入った当時は楽しかった、尊敬する上司に一応希望通りの仕事。
私が今ほしいと思っているのは働く喜び、ではなく、まずは安心感と、安定した気持ちだ。
来年の今頃、私は何をしているのだろうか。