- 書名:『予定日はジミーペイジ』
- 著者:角田光代
- ISBN: 978-4101058276
- 刊行日:2010年7月28日
- 価格:590円(税別)
- 発行:新潮文庫
- ページ数:268
- 形態:文庫
「つのだみちよ」だと思っていたが「かくたみちよ」だよと誰かに言われたのはいつだったか、私には関係の無い作家だとずっと思っていたが、妻から薦められて読んでみた。
ちょうど2人目の子供が生まれる少し前のことだった。
妊娠した女性(30代?)が自分の体調の変化にとまどい、夫にイライラとしながらもなんとか出産日を迎えるという筋書きものである。物語は世の中(特に男性)が求める無限の愛に満ちた「母親像」からは少し離れた、かなり冷静で現実主義的な女性の視点で進んでいく。
物語のリアルさから「つのだみちよ」が実際に妊娠・出産を経験したのかと思い、読後に本書と角田光代のことを調べてみたがそうではなかったらしい。妊娠経験のある色々な女性にインタビューをしたのだろうか。
自分が体験していないことを体験したように書くというのはプロの作家の技術なのだろう。
妊娠している女性とどう接していいかわからない!という方にはオススメである。