- 書名:『満洲暴走 隠された構造 大豆・満鉄・総力戦』
- 著者:安富歩
- ISBN: 978-4046534354
- 刊行日:2015年6月20日
- 価格:800円(税別)
- 発行:角川新書
- ページ数:255
- 形態:新書
満州国とは一体なんだったのか?ということを噛み砕いて説明してくれるのが本書。
本書を要約すると、日本の軍部の起こした満洲事変によって日本の傀儡国家となった満洲国は大豆の生産、満鉄の輸送力、満洲の特殊な地域性により経済的な成功を収め、それに味をしめた日本の軍部が中国との戦争の戦線を拡大して戦争が泥沼化し、やがて日本の敗戦にいたるという内容である。
で、その原因となったのは日本独特の「立場主義」であると、著者は説明する。
立場主義とは聞きなれない言葉だが、ようするに自分の立場を守ることに固執するあまり大勢を見誤るということである。
最近の安保法案の泥仕合などがそのいい例だろう、法案を通したい立場、通したくないという立場、その人たちが罵り合っている、それだけの騒ぎだった。
この先に戦争があるかもしれないのであれば、その戦争の話をしなければならないのに。
今戦争になったら、満洲事変から日本の敗戦にいたるまでの過程を同じようにトレースした事態が起きるだろうな。
私は選挙には欠かさず行って自民党以外の党に投票してきた。それが私の政治活動だと思っていた。
小さい活動だが、それで社会は悪い方には行かないと思ってきた。
でも最近、その私の政治活動は全く社会を少しも動かしていないと思い始めた、じゃあどうすりゃいいんだ。
デモに行くのか?
うーん、何か違う気がするんだよな。
安保法案のデモに行った人全員が次回の選挙にちゃんと投票してくれれば自民党よりもましな政党が政権を担えると思うんだけど。
それまでみんな覚えてられるのかな。