- 書名:『ぱいかじ南海作戦』
- 著者:椎名誠
- ISBN: 978-4101448299
- 刊行日:2006年12月1日
- 価格:476円(税別)
- 発行:新潮文庫
- ページ数:317
- 形態:文庫
離婚と失業を同時にした男が、フラリと沖縄に赴きそこで「海浜生活」(俗に言っちゃうとホームレス)を送る一団と出会い沖縄の砂浜でサバイバル生活を繰り広げるというストーリー。
ぱいかじとは沖縄地方の方言で南風の意味らしい。
初めて椎名誠の作品と出合ったのは、10数年前の大学時代。
「うーん、なんていうかなあ、うーん、とにかくいいんだなあ、まあとにかくそうゆうことだからオマエも読めよ読め読め、読めったら読め、な読め読め・・・うんうん」
と大学の友人から椎名誠の哀愁の街に霧が降るのだ』を薦められた。
その友人はメガネをギラギラさせた青年で、そう言うとぬるい缶ビールを飲み干したのである。(ホントウは学食だったはずなので、友人はたしかタダのお茶を飲んでいた)
あれはおそらく彼の住んでいた四畳半のアパートで、友人3人くらいで酒を飲んでいたときのことであったろうか。(ホントウは学食だった)
その時のその友人の言葉はあまり信じていなかったのだが、そこまで言うのならと読んでみて一気にめくるめく椎名ワールドに魅了され、それ以来椎名誠の作品を読み漁った。
私小説、SF、冒険、エッセイなどなどジャンルを飛び越えて書かれる彼の作品の特徴は、なんと言ってもネーミングセンスではなかろうか。
「名付け」とは「世界」を作る事だとどこかで聞いたりしたことがあるのだが、椎名誠の魔術的な名付けから魅惑的で怪しげな椎名誠の世界が作られていくのである。
ここではあえて例はあげない、読んでみてからわかってほしいのである。
ブックオフでも街の古本屋でも、お店に入ればそこの文庫コーナーには確実に椎名誠の本がある。
文庫でさらに古本なので値段もお手ごろ(100円前後)、スターバックスに入るより安いですよ、お姉さん。