人生を野グソに捧げる男の半世記 『くう・ねる・のぐそ 自然に「愛」のお返しを』

くう・ねる・のぐそ

  • 書名:『くう・ねる・のぐそ 自然に「愛」のお返しを』
  • 著者:糞土師 伊沢正名
  • ISBN: 978-4635047791
  • 価格:980円(税別)
  • 刊行日:2014年7月5日
  • 発行:ヤマケイ文庫
  • ページ数:294 + 袋とじ
  • 形態:文庫

本物だ。「21世紀の奇書」とあるが誇張ではないと思う、奇書に見せたいと思ってふざけた感じで作られた本なのかもなと思って読み始めたが、この著者は本物である。

世の中的には奇人・変人の類にくくられる人なのかもしれないし、実際に奇人なのか変人なのかは会ったことがないのでわからないが、著者のウンコにかける情熱は本物である、読んでみりゃわかる。

水洗トイレと下水道を使って人間のウンコ(栄養)を自然に返すということは膨大な資源の無駄遣いだと感じた著者は、その栄養を直接自然に返してやれと思い野グソ(キジ撃ちと言うらしい)をはじめるに至る。

そして初めての野グソから33年かけて野グソ回数1万回を達成するのである、パチパチパチ。1年365日として、33年だと12045日、だから大体1.2日に1回は著者は野グソをしていたことになる、ほぼ毎日といっても差し支えないだろう。

いやあすごい、行間からウンコへの熱い思い(臭い)が漂ってくるようだ。お尻に優しい(拭くのにちょうどいい)葉っぱやキノコの紹介もされているので、機会があれば私も野グソをしてみたいなと思った次第である。

なお公園で野グソは軽犯罪法違反になる可能性があるようだが、著者の見解によると自然に栄養を返す環境保護行為なのでギリギリセーフのようである(見つけた警官がどう扱ってくれるかにかかってるけど)。

あ、あと最後にウンコが土に返っていくまでの克明なレポートも載っていて、著者はそのウンコを食べちゃいます、チーズみたいで結構おいしいのかもなと私は思いました。

ウンコでおなかいっぱいになった読書でした、文庫なのに1,000円と結構高いが袋とじつきなのでお買い得?です、袋とじは野グソの掘り出し調査の写真みたいですが、私はまだ開けてないので開けるのが楽しみです。