幸福な読書体験 『エンディミオン』

  • 書名:『エンディミオン(上・下)』
  • 著者:ダン・シモンズ
  • 翻訳:酒井昭伸
  • ISBN: -
  • 刊行年:2002年
  • 価格:-
  • 発行:ハヤカワ文庫
  • ページ数:-
  • 形態:文庫

 
ハイペリオン4部作の中の第3作目にあたるのが本書である。

4部作のハイペリオンシリーズだが、全て上下巻で出ている。

私はamazonで8冊分(4部作分)をまとめて買ったのだが、8冊全てを重ねると結構な厚みになった。

今回の『エンディミオン』で3部作まで読み終わったことになるのだが、3回ともかなりのスピードで読みきった。

読み始めると通勤の電車の中と会社の昼休みの時間に貪るように読んでしまい、仕事中なども続きが気になって仕方なくなってくる。

終盤に近づけば近づくほど読むスピードは上がっていき、通勤の行きの電車で上巻を読みきってしまい、帰りの電車で何も読むモノがないという状況もあった。

ハイペリオンに向かった巡礼達の時代から300年あまり経ち、人類の住む世界はパクスという「帝国」に支配されていた。

そしてハイペリオンの巡礼の一人である”詩人”マーティン・サイリナースに命を助けられた青年エンディミオンがサイリーナスにアイネイアーという女の子を助けてくれと頼まれる事から物語は始まる。

今回のお話はエンディミオンとアイネイアーが帝国の追手から逃れながら、転位ゲート(どこでもドア)で繋がったテテュス河を下り「ある場所」を目指すという流れである。

本書はエンディミオンとアイネイアーの追われる側の話、帝国の追う側の話が時間軸にある程度沿いつつ交互に書かれていくシンプルな形でありながら、終盤に向けて一気に読み手をスピードアップさせる力を持っている。

まあとにかく気になったら書店で手に取るか、amazonで買ってみてください。

1部~3部までの間で広げた大きな大きな風呂敷をダン・シモンズがどう畳むか見もののハイペリオン4部作の最後の4番目『エンディミオンの覚醒』は明日か明後日紹介します。