文庫に文字が詰まっていた時代 『額田王』

額田王

書名:『額田王』

著者:井上靖

刊行日:1972年10月30日

発行:新潮文庫

価格:440円

ページ数:479

形態:文庫

書影を見てもわかるとおり、結構古い文庫である。毎度のごとくブックオフの100円コーナーで購入した。

帯が真っ赤でタイトルは「テレビ朝日系放映」、そして説明文が簡潔に書かれている。かなりシンプルな帯で最近はあまり見ないタイプだ。

今風の帯にするならテレビ朝日で何日の何時からスタートなのか、主演は誰だとか、そのテレビドラマの写真とかも丸く切り取って載せることだろう。

でもこの帯は青っぽい本の表紙に真っ赤な帯で鮮烈、キレイである。帯に隠れている表紙の絵も物語世界を忠実に表しているように見えてカナリ良い。

1972年に出て440円だったものが、現在ではいくらになっているのだろうか、さらに表紙もアニメっぽくなっているのだろうなと思ってAmazonで検索してみると今出ている版もなんと同じ表紙であった。

やっぱ表紙のセンスがいいから、変える気しないんだろうな。

しかし価格が907円になっていた・・・当時が440円だから倍の値段である。

さらにページ数も522ページと当時の479ページから43ページも増えている。ページが増えているということはエピソードが追加されているのかと思ったが違うということに気づいた。

おそらくだが、文字の大きさが現在の版のほうが大きいのである。だからその分ページ数が増えているのだ。

昔の文庫を読んでから最近の文庫を読むと字の大きさの違いに驚くことが多い、たぶん今の文庫の文字の大きさは当時の『額田王』の倍くらいの大きさである。

昔の小さな文字サイズのほうが今の文庫本よりもぎゅっとお話が凝縮されているような気がする。文字が大きすぎるとなんだかお話も間延びしてしまうように感じる。

本書は2人の天皇に愛された歌人額田王の生きた時代を描いた歴史小説。井上靖の硬質というか淡々というか何というかなんだろう、笑いの少ない、いやスキの少ない、なんつーかうーん、うまい表現が見つからない、あ、文章がうまいんだ、って文豪に失礼か。

とにかく、結構面白かった、表紙を一新して新版で再度発売したら、この表紙版の古書価はあがるだろうなって、死ぬほど流通しているだろうからそんなことないか。

Nexus 5Xが欲しいけど13「MNP予約番号を取得!そして格安SIMに申し込んだ」

mineoのキャンペーンカードはペラペラだけど、これで手数料がタダになる

現在所有しているNexus 5をNexus 5Xに機種変できないかを模索していたが、結局キャリアをY!mobileから格安SIMに乗り換えることで月額の支払いを安くしてお茶を濁すことにした。

で、電話でMNP予約番号を取得しようとしたら時間外でできなかったので、翌日に職場の近くのY!mobileショップに行ってきた。

遂にMNP予約番号を取得

Y!mobileの店は人気がないからなのか、待たずにすぐにMNP予約番号が取得できた。

次のキャリアはお決まりですか?と販売員に聞かれたので、ネットで申し込む格安SIMにする予定ですと答えた。

彼らもY!mobileの値段が格安SIMには勝てないのは知っているのでそれ以上しつこくは聞いてこなかったが、Y!mobileでSpray 402LGに機種変すると月額が2,980円になりますけどと一応営業をしてきた。

ただ後で調べてみるとこのSpray 402LGはNexus 5の廉価版のような感じ、つまりNexus 5がガンダムならSprayはジム、ガンダムからジムに乗り換える人なんているのか?

つーかNexus 5を2万くらいで下取りした上で月額3,980円くらいでNexus 5Xに機種変できたらMNP予約番号なんて取らなかったのにと思ったがもう遅い。

10分くらいでMNP予約番号を取得した、MNP予約番号というくらいなので、この状態ではまだ解約はされておらず、この予約番号を使って他キャリアで新規契約をした時点で解約となる。

結構いいシステムだとは思うけど、そんなんで手数料取らないで欲しい。

mineoに申し込みしようとしたら

家に帰り、すぐにmineoのホームページより申し込みをしようとしたところ、mineoエントリーパックというのがあって、それに入っているコードを入力するとキャリア(この場合はmineo)への契約事務手数料の3,240円がタダになるということが書かれていた。

そんなの知らんぞ、と思って調べるとAmazonで972円で売っていた。つまりこれを買うと差額の約2,000円分手数料が安くなるということである。

敵もよく考えるな、すぐにお急ぎ便で注文して次の日の夜にこのmineoエントリーパックを手に入れた。

Amazonの箱を開けるとペラペラの紙(冒頭の写真参照)が入っていた、ちょっと気の利いたチラシよりも格が落ちるがプリントパックでは印刷できないレベル、一応専門の印刷業者が刷ったチラシだろう。

原価はおそらく5円くらいか、中国で10万枚くらい刷ればせいぜい10万円というところか、なので原価は1円くらいかもしれない。

これをほぼタダでAmazonに卸して、というかタダでAmazonに置いてもらって売れたら何パーセントかがAmazonに入るのだろう。

大体972円の30%というところか、だからAmazonはこの紙が売れるだけで300円くらいは儲かり、お急ぎ便だと送料も儲かるという仕組みか。

このエントリーパックを買うお客さんはほぼmineoに入るのを決めているお客さん、で、そのお客さんはmineoに入るのを止めてもお客さんが972円損するだけ、うーんうまい。

mineoは10万くらいの投資で、見込み客に金を払わせて、さらにその客を囲い込むという巧妙な戦法を取っているのだ、ってちょっと脱線した。

つまりその作戦に乗っかって私もエントリーパックを買ったわけである。

でも、このペラペラのエントリーパックのどこにも契約事務手数料がタダになるとは書いていない、Amazonの購入ページには書いてあるので大丈夫だとは思うが、このエントリーパックに何も書かないことによって色んなキャンペーンを展開できるということなのだろう。

契約事務手数料タダのキャンペーンが、次の日にSIMカード2枚あげますキャンペーンになっても、端末タダであげますキャンペーンになっても大丈夫なのだ。

うーん、うまい、っつーかキャンペーンの内容くらい書けよ。

mineoに申し込み完了

エントリーパックに入っているコード、MNP予約番号、クレジットカードの情報を入力し、本人確認書類の画像をアップロードしてmineoへの申し込みは完了した。

mineoでの契約プランは下記の通り。

Dプラン デュアルタイプ パケット制限(1GB)(\1,620[税込]/回線・月) ・SIMカード:nanoSIM ・ユニバーサルサービス料(\2[税込]/月)

Nexus 5はmicro SIMだが、今後スマホを買い換えることを考えるとnano SIMのほうがいいと思ったのでnanoを選択した。

nano→micro変換アダプタが数百円で買えるのでそれを使う予定だ。

あとはmineoのSIMカードが届くのを待つばかり。

10日くらいかかると書いてあったので、それまで静かに待とう。

連載終了 「NEXUS 5Xが欲しいけど」バックナンバー

  1. 「理想と現実」
  2. 「Nexus 5のままでいいのか?」
  3. 「Nexus 5、Nexus 6、Nexus 5X、Nexus 6Pのスペック比較してみた」
  4. 「Android6.0は何が変わった?フォントだよ!」
  5. 「Y!mobileでの月額料金が決定・・・」
  6. 「買わないことにした」
  7. 「買わないことにしたけど、欲しくなる」
  8. 「(Nexus 5Xが買えない)Nexus 5ユーザーに送るNexus 5Xとのスペック比較」
  9. 「さよならY!mobile」
  10. 「やっぱりさよならY!mobile」
  11. 「欲しい端末が出てきた?けど」
  12. 「ついにMNP予約番号をって、取れないじゃん・・・」
  13. 「MNP予約番号を取得!そして格安SIMに申し込んだ」
  14. 「格安SIMに乗り換え完了、Nexus 5をしばらく使う予定」
  15. 「Nexus 5の後継機はAcer Liquid Z530に」(番外編)

さよなら私の愛するカレー屋C&Cのラッキョウ無料サービス

C&Cらっきょう

カレー好きには有名だが、そうではない人たちにはココイチ(CoCo壱番屋)と名前が似ているので同じ店だと思われているお店C&C。

京王線沿線の大きめの駅に入っている立ち食いそばのカレー版のようなお店である。経営はレストラン京王、つまり京王線のやっているお店である。

関東、というか東京およびその周辺のみに展開していて、たぶん知名度はかなり低いのではないだろうか。

私が初めてこのお店に入ったのは大学時代だった、今から15年ほど前のことである。朝まで聖蹟桜ヶ丘の友人の家で酒を飲んで、これから友人が寝るというので家を出て駅から電車に乗って家に帰ろうとしたが小腹が減っていたのでちょうど開いていたC&Cに入ったのである。

今はもう無いが当時は確かチーズカレーが400円くらいだったはずで、ラッキョウと福神漬けが入れ放題だったので私はラッキョウを大量に投入してカレーを食べた。で、驚いたのだ、結構うまいぞ。

それまで私はカレーがあまり好きではなかったのだが、それ以降C&Cにたびたび通うようになった。私が通学に使っていた吉祥寺駅の公園口改札の横っちょの奥に小汚いC&Cの店舗があり、腹が空くたびにそこに入るようになった。

頼むのは毎回チーズカレー、で、ラッキョウを大量投入である。

それから私が大学を卒業すると、チーズカレーがメニューから姿を消し、ポークカレーの単品が400円くらいになり、チーズはトッピングとしてたしか80円になった。

ポークカレーはそれまでは300円台で食べられたので値上げをしたと言うことである、でもまだ500円以下でチーズカレーとラッキョウが食べられた。

で、さらにトッピングのチーズが100円に値上がりし、ポークカレーも数十円の値上がりをする。

私はC&Cのカレーを食べたことにより俄かカレーマニアとなっていたので、インドカレー屋やちょっと有名なカレー屋に足を運ぶようになっていた。だが、その中でもC&Cのチーズカレー+ラッキョウの味は500円程度で食べられることもあり、味と値段のバランスが非常にというかコストパフォーマンスが非常に高かったので、C&Cは有名カレー店にも負けないなと思っていた。

気取ったカレー屋だと、すごい少ないライスの上にドライカレーをこすりつけたようなモノを1,000円以上の値段で出している。

量が少ないから味もよくわからないし、何より高いので頭が逆上していてまずくしか感じられない。

私が行ったことのある都内のカレー屋は限られてはいるものの、その中でどこがうまいか?と聞かれればC&Cのカレーはベスト3くらいには入る。コストパフォーマンスで言うとベスト1である。

最近、京王線のつつじヶ丘駅の近くに引っ越してきたのだが京王線の駅にも関わらずつつじヶ丘にはC&Cはなくココイチしかない。

飲んだ帰りとかにカレーが食べたくなってココイチに入ったことが数回あるが、水のような味のまずいカレーが800円くらいしてイヤになる、何でこの店に入ってしまったのだろうと毎回後悔する。

で、最近数ヶ月ぶりにC&Cに行ってみたら、なんとラッキョウのサービスが終了していた、でラッキョウは数粒で40円取られるようになっていた・・・

つまり、私が初めて食べたチーズカレー+ラッキョウ大量投入20粒くらいはラッキョウ無料のため400円くらいだったのだが、今同じことをやるとポークカレーが440円、チーズが100円、ラッキョウ40円で数粒、おそらく10粒入っていない、なので8粒くらい入っているとして40円が3個で120円、合計660円になる。た、高い。

当時から比べると50%くらいの値上げである、非常に残念、本当に残念。ラッキョウの復活を切に願う。

それが無理だったらラッキョウのみ持込可とかでもいいです、でもスーパーの安いラッキョウはかなりマズイんだよね・・・

Nexus 5Xが欲しいけど12「ついにMNP予約番号をって、取れないじゃん・・・」

Nexus 5Xが欲しくて色々調べた結果、今もっているNexus 5はそのままに契約先をY!mobileから格安SIMのキャリアに変更するということになった。

格安SIMのキャリアを色々調べる

最初は一番安そうな、DMM mobileに乗り換えるつもりだったが、回線の切り替えに数日かかる可能性があるとのこと、つまり電話が数日繋がらなくなるのだ。

電話が来る可能性はほとんど無いが、不通期間は外でデータ通信もできなくなるので結構困る。

で、切り替えが瞬時に終わるとこはないかと調べてみた。

すると、nifmo、U-mobile、mineoというキャリアが不通期間無しで瞬時切り替えをやっているらしいということがわかった(不通期間無しのキャリアはほかにもありますが、価格的によさそうだったので)。

で、さらに契約のしやすさとか、キャンペーンでのキャッシュバックの有り無しとかを調べてみたところ私はmineo(ミネオじゃなくてマイネオのようだ)がいいのではないかという結論になった。

価格.comで3,500円分のAmazonポイントのキャッシュバックがつくというキャンペーン(2015年1月5日現在)をやっていたのが決め手だった。

MyY!mobileでMNP予約番号を取得しようとしたが・・・

で、格安SIMの契約から使用開始までは下記のようなステップとなっている。

1.現キャリア(Y!mobile)でMNP予約番号を取得

2.mineoでWeb申し込み(MNP予約番号が必要)

3.SIMカードが届くので、Web上でSIMの切り替え

4.キャリアの切り替え完了!

なので、まず現キャリアであるY!mobileでMNP予約番号を取得しようとMyY!mobileにログインしたところ・・・

どこにMNP予約番号を取得するところがあるのかがわからない、で色々なリンクをたどったところ、「契約内容の確認・変更」ページ内の下のほうに「携帯電話番号ポータビリティ(MNP)予約関連手続き」というリンクがあった。

これを見つけるのに10分くらいかかった、でリンクを押してみた。

MyY!mobileでMNP予約番号取得・・・

なんだよ!なんだよ!

私の契約内容ではできないって、なんじゃそりゃ。

電話かけろっつーことか、で電話料金は有料。

でも無料電話があってもいいだろ、と調べてみたらこんなページが見つかった。

Y!mobileのMNP予約番号発行について、ちょっと悪質じゃね?

このページによるとY!mobileの電話からだと「116」番にかけるだけで通話料無料でMNP予約番号が発行できるようである。

よかった。

116に電話したけど、時間外

そこで、会社からの帰り道に116番にかけてみたところ、この番号は人間が対応する形ではなく音声の自動案内で契約内容の変更などをする番号とのことである。

で、さらにこの通話は有料ですとか無料ですとか、一切言わないのでちょっと不安になるが、まあしょうがないと思って1とか#とかをパチポチ押してMNPの予約番号を取得しようとしたら「ただ今時間外のため、MNPの予約番号は取得できません。取得可能時間は9時から20時です」とのアナウンス、時計を見てみると20時1分過ぎ・・・

なんだ、このタイミングのよさというか悪さは・・・

で、次回に続く。

連載終了 「NEXUS 5Xが欲しいけど」バックナンバー

  1. 「理想と現実」
  2. 「Nexus 5のままでいいのか?」
  3. 「Nexus 5、Nexus 6、Nexus 5X、Nexus 6Pのスペック比較してみた」
  4. 「Android6.0は何が変わった?フォントだよ!」
  5. 「Y!mobileでの月額料金が決定・・・」
  6. 「買わないことにした」
  7. 「買わないことにしたけど、欲しくなる」
  8. 「(Nexus 5Xが買えない)Nexus 5ユーザーに送るNexus 5Xとのスペック比較」
  9. 「さよならY!mobile」
  10. 「やっぱりさよならY!mobile」
  11. 「欲しい端末が出てきた?けど」
  12. 「ついにMNP予約番号をって、取れないじゃん・・・」
  13. 「MNP予約番号を取得!そして格安SIMに申し込んだ」
  14. 「格安SIMに乗り換え完了、Nexus 5をしばらく使う予定」
  15. 「Nexus 5の後継機はAcer Liquid Z530に」(番外編)

で、結局誰なの? 『下山事件最後の証言 完全版』

線路

書名:『下山事件最後の証言 完全版』

著者:柴田哲孝

ISBN:978-4396333669

刊行日:2007年7月

発行:詳伝社文庫

ページ数:602

形態:文庫

下山事件の事を知ったのは、何気なく読んだ森達也の『下山事件(シモヤマ・ケース)』だった。

図書館で少し読んだだけだったのだが、気になったので後にアマゾンで買ってみた。

しかしハードカバーの本のため、電車の中で読めず(私の読書時間はほとんど外出先か電車の中であり、文庫に比べて大きなハードカバーはカバンに入らないので絶対に持ち歩かないのだ・・・)、そのままになっていた。

そんな時、この『下山事件最後の証言 完全版』を見つけた。

森達也の『下山事件(シモヤマ・ケース)』は、自分の親族が下山事件に関わったのでは?と疑う人物の登場で幕を開けるのだが、その人物こそが本書の著者である柴田哲孝なのである。

本の概要としては柴田哲孝の祖父が勤めていた亜細亜産業が下山事件に関わっていたのでは?という疑い、そして事件にはアメリカが深く関わっていた、という事を言っている。

しかし亜細亜産業の重要人物、矢板玄にインタビューを慣行するのを頂点に、柴田哲孝の文章のテンションがドンドンと落ちていく。

伏字も多くなり、結局誰が下山事件を起こしたのかをハッキリと言う事はなくこの本は終わるのだ。

矢板玄とのインタビューで何か確信みたいなものを得たものの、何かが怖くなって書かなくなったという風にも読める。

とすれば、そのインタビュー相手はかなり黒に近いのではないかとも推測できる。

ノンフィクションものとしてはいまいちの出来である、うーん。

しかし、ノンフィクションというよりも小説的には面白い。次々に明るみに出てくる新事実、ウソか誠か確かめる術はないのだが、その情報に右往左往する著者の姿もまるで小説の中の主人公である。

だったら、フィクションとして世に出せばよかったんじゃないか?

下山事件について気になる方は、色々な関連本が出ているし、さらにネットでも情報があるのでgoogleやwikipediaなどで自分で調べるように。

怪しいからこそやめられない『日本競馬 闇の戦後史』

競馬場

書名:『日本競馬 闇の戦後史』

著者:渡辺敬一郎

ISBN: 978-4062811569

刊行日:2007年11月21日

発行:講談社+α文庫

ページ数:336

形態:文庫

普段なら私にとっては聞き慣れない名前である講談社+アルファ文庫の本を買う事はないのだが、「闇の戦後史」というコトバに魅かれて買ってみたのが本書。

闇の戦後史であるから、どのような生々しくて恐ろしい真実が書かれているのかと思ったが、何の事はない、おじさんの戦後競馬の回顧録である。

驚愕の新事実などは特に無いのだが、私の知らない戦後の競馬(私は1990年代からしか知らない)のお話はなかなかに興味深い。

特にこの本の面白さは八百長のお話と、ノミ屋(私設馬券屋、もちろん違法)のお話である。

競馬がまだ市民権を得ておらず、スポーツではなくギャンブルだった時代のニオイを感じることが出来る。

現在、馬券売り場に並びもせずに、家で悠々とネット馬券を買っている私には感じることの出来ない競馬のお話である。

しかし気になることがある。

この本には誤植なのかもしれないが、事実とは違うのではないか?という部分があるのである。講談社+アルファ文庫の「+アルファ」の部分は誤植や間違いの「+アルファ」なのではないかと意地悪な事を考えてしまう。

私の買ったのは第2刷だが、次に刷る時は直した方がいいんでないのかと思う。

競馬には常に八百長疑惑がついてまわる、基本的には競馬関係者は馬券を買うことができないという決まりなので、八百長は起きない、ということにはなっているが、競馬関係者が友人やら知人に馬券を買ってもらったらその前提はあいまいになる。

八百長でよくやるらしいのが、グリグリの本命馬をビリッけつにして、それに次ぐ馬たちを故意に勝たせるというもので、本命馬と二番手の馬の騎手を抱きこんでしまえば結構簡単にできるようである。

もちろんその騎手を抱きこむにはその騎手を脅したり、借金まみれにしたりという前工作が必要なようではある。

昔の地方競馬ではそういうことが結構あったらしい。

八百長ではないのだが、目標となるG1レースの前哨戦などで人気の実績馬が調教代わりにレースに出て適当に走って負けたりすると、騎手が故意に負けさせたのではないか?みたいな疑惑が浮上することがある。

そういう場合は、馬券を買っている人には非常に迷惑なので出馬表には「調整」とか「調教代わり」などという表記をしてほしいことがある。

つーか金返せ!

などと言いつつ毎週馬券を買っているので私も懲りない、なんつーかそのあいまいで怪しい部分も競馬の魅力なのである。

って何を言いたいのかわからなくなったが、とにかく今年も競馬を頑張るぞ!と思ったのだ。

文庫の値段が1,000円超え『略奪都市の黄金』

この本に宇宙人は出てきません

書名:『略奪都市の黄金』

著者:フィリップ・リーヴ

ISBN: 978-4488723026

刊行日:2007年12月

価格:1080円(税別)

発行:創元SF文庫

ページ数:411

形態:文庫

今からは遠い遠い未来、地球は荒れ果て、地上では「移動都市」達がお互いを食い合っていた・・・

都市自体が「ハウルの動く城」のようにキャタピラを持ち移動する、そんな都市達の世界、それが本作の舞台である。

本作は前作『移動都市』の続編にあたる物語、本作は「移動都市」で生まれ育った主人公が、苦難の冒険を繰り広げるという、ワリと単純なものである。

前作で「移動都市」というワリと突飛な設定が出てきたので、ひきこまれた記憶があるが、今作はその続編ということで特に驚きはない。

これを読むならば前作を読んだ方がいいと思う、一作目が良かったから二作目が出ましたという典型的なパターンだと思う。

しかし一番の驚きは値段である、文庫なのに1080円(税別)もするのだ。

最近文庫の値段が高騰してきている、特に単行本が発売されず文庫本が国内デビューとなるSF系の文庫にその傾向が強い。

ハヤカワSF文庫と創元SF文庫からの新刊はほぼ1,000円を超えていて、文庫だと思って手軽に手にとってレジに向かうと、3冊くらいなのに会計が3,000円を超えたりして、え?となる。

あまり売れないけど、購入する固定層がある程度は存在するし、たぶんそいつらは金を出す、っていうような市場調査の結果、文庫なのに1,000円超えという事態になっているのだろう。

結婚してから自分の自由なお金が激減したので、私は新刊のSF文庫をホトンド買っていないというか買えない、かといってSF文庫は古本屋に並ぶ率も非常に低く、ブックオフの100円コーナーなんかではほとんど見かけない、あまりに何も無いのでブックオフに入ってSFコーナーを覗くのすらやめた。

私はどこでSFを買えばいいのだ、あ、Amazonで中古の一円で出てるのとかを買えばいいのか。でも送料がすごいんだよな・・・送料が。

間違えて2回買った 『つげ義春1968』

つげ義春1968

書名:『つげ義春1968』

著者:高野慎三

ISBN: 978-4480037589

刊行日:2002年9月10日

価格:700円(税別)

発行:ちくま文庫

ページ数:248

形態:文庫

仕事が終わって、その後に人と会う予定があった。それまで時間が空いているので夕飯を食べてから喫茶店で本でも読もうと思って、新宿のジュンク堂で本を探していた。

それまでハシカにかかっていて、病み上がり(と言っても完治していない)の状態だったのでフラフラした頭で文庫コーナーをさ迷った。

ちくま文庫のコーナーで高野慎三の『つげ義春を旅する』と『つげ義春1968』が並んでいた。

無類のつげ義春好きの私としては、その二つの本を持っている可能性が非常に高い。

しかし『つげ義春1968』の表紙には全く見覚えがなかった、奥付を見ると初版の発行が2002年となっている。

2002年と言うと私は大学3年生でちょうどつげ義春に狂っている頃だった。

だからこの本を初版で買っている可能性が非常に高い。

でも、表紙に見覚えが無い、俺はこの本持って無いぞ!という思いが強くなってきた。だから買ってみた。

喫茶店で読み始めると、これはやっぱり読んだ事あるなぁと思い始めた。

家に帰って自分の部屋の本棚のつげ義春コーナーを見ると、見事にこの『つげ義春1968』がドデンと鎮座していた・・・

しかし読んだのは2002年のはずであり、それはかなり前の事である。

内容の細かいところなんて忘れている、だから続けて読むことにした。

本書はつげ義春が漫画雑誌ガロに問題作『ねじ式』を発表した1968年前後のつげ義春とガロ周辺の人々の事を、ガロの編集者だった高野慎三が綴ったモノである。

本書を読んだら、私はつげ義春を読みたくてたまらなくなった。

つげ義春好きじゃなきゃまず買わない本なので、つげ義春にまず興味を持っていたら文庫版のマンガが沢山出ているのでそちらをオススメします。

ナンパな文章で特攻隊の話をまとめた大傑作『KAMIKAZE神風』

零式戦闘機

書名:『KAMIKAZE神風』

著者:石丸元章

ISBN: 978-4167137083

刊行日:2004年8月4日

発行:文春文庫

ページ数:334

形態:文庫

私のお気に入りの作家・高野秀行が「本の雑誌」誌上でオススメしていたのが今回紹介する『KAMIKAZE神風』。

謎の老人からの依頼をきっかけに石丸元章の元神風特攻隊員に対する取材が始まる。

巨大な助手キム、運転手でゲイのDボブ、成り行きで付いて来たキャバクラ嬢、そして薬で捕まった事のある筆者、キャラクターが立ちすぎな感はあるが、彼らの繰り広げる珍道中と元特攻隊員へのインタビューが渾然一体となって石丸元章ワールドを作り出す。

軽くナンパな文章にクセがあると思う方もいるかもしれないが、読み進めれば別にそんな事は気にならなくなるはず。

最後の章「痛みを抱きしめながら、あの旗を撃て!」の話は出来すぎな気もするが、まあ出来すぎでもそれはそれでいいんだねと思える出色の出来。

新宿に仕事の面接に行った帰り、新宿御苑のウェンディーズ(今はもう無い)でこの本を読み終えた。ちょうど昼前に店に入ったのだが、読み終わる頃には昼ご飯タイムの真っ只中となり店内はほぼ満員だった。

その真っ只中でちょっと涙ぐんでしまったが、まあいいやと思って読み終えた。

生きてて良かった、今が平和で良かったなと思った。

神風特攻隊の本を読むのはこれが初めてだったが、これぐらいの出来の本じゃなけりゃ他のは読みたくないな、なんてかなり勝手な事を思った。

家族の黄金時代 『かえっていく場所』

空

書名:『かえっていく場所』

著者:椎名誠

ISBN: 978-4087460315

刊行日:2006年4月

発行:集英社文庫

ページ数:299

形態:文庫

人生には楽しくもはかなげな黄金時代というものがある、はずだ。

黄金時代というのはその時には気づかないのだが、あとになって「ああ、あの時は私の黄金時代だったのだな」と気づくものだと私は思う。

私の父は18年前に亡くなり、私が家を出るまでの10年間ほど私は母親と2人暮らしをしていた。その2人暮らし時代に母との間に出てきた話題というものは私が小学生の頃のものが多かった。

私が小学生の頃の家族の姿が、私と母の記憶および思い出に一番強く残っているのだろう。だからその頃の私の家族、それが私と母(と父)の「黄金時代」と呼べるものなのだろう。

父はもうこの世にはいない、母はもはや母と言うより「おばあさん」と言える年齢だ。母の兄弟である私のおじさん、おばさんも母と同様に「おじいさん、おばあさん」になっている。

本書は、椎名誠が家族の黄金時代を懐かしみつつ、再び結びつこうとしている自分の家族の話をするというものである。

家族は再び結びついて新しい黄金時代を迎えることができるのだろうか。

母との2人暮らしを終えて私は結婚をした。母の家から歩いて30分ほどのところで、子供を入れて4人で暮らしている、子供を連れて私が母の家に行くのが楽しみらしく母の笑顔が増えた。

今が我が家の新しい黄金時代なのかもしれない。