心の隙間をくすぐられる 『ぼくはオンライン古本屋のおやじさん』

古本

  • 書名:『ぼくはオンライン古本屋のおやじさん』
  • 著者:北尾トロ
  • ISBN: 978-4480420671
  • 刊行日:2005年2月9日
  • 発行:ちくま文庫
  • ページ数:297
  • 形態:文庫

新宿ルミネのブックファースト(旧青山ブックセンター)には、新宿での待ち合わせ時間に早く着きすぎた時や、 待ち合わせ相手が遅れた時の暇つぶしによく行っていたが、最近久々に行ってみたら影も形もなかった・・・

そんな風に暇つぶしで利用していた新宿ルミネのブックファースト(旧青山ブックセンター、今はもう無い)は本の並べ方がうまかったのか私は結構この本屋で本を買っていた。

本書も待ち合わせまで時間が少しあったので覗いてみた時に、ちくま文庫コーナーにあるのを見つけて買った本だ。

私は数年前というか10年くらい前、浅草のゲーム問屋でオンラインショップの担当として働いていた。

私の働いていたゲーム問屋は吹けば飛ぶような規模の会社であったが、有名な小売店のネット部門といい勝負をしていた。ネットでは実際の商売の規模に関係なく大きな店も小さな店もある程度同じレベルで競争できているというのが面白いなと思っていた。

楽ではないだろうが家でオンラインショップを開くというのもいいかな、なんて思っていた。

ちょうどこの本を買ったのはそのゲーム問屋をやめて無職となっていた時だったので、「ああ、オンラインの古本屋で生計を立てるってのもいいかもな」と思い、この本が私の心の隙間にピッタリと入ってきたのである。

本の内容はネットショップの立ち上げからある程度店が軌道に乗るまでのエピソードと、日記で構成されている。

古本屋になれるかどうかの条件をあげている箇所があり、その中の一つでなるほどと思ったのが

「自分の持っているいい本を手放せるかどうか」という条件である。

作者の北尾トロは店に注文が来ると、注文が来た本を発送までの間に読んでしまうのである。(もちろん発送する全ての本を読んでいるわけではないのだろうが)

なんだか、面白い本でも読み終わったら他の人読んでもらおうじゃないか、という北尾トロのスタイルが本好きの理想のスタイルではなかろうか?などと私は思ったのである。

手放したくない本はまだまだいっぱいあるが、いずれ私もオンライン古本屋を始めようかな、なんて考えているが、妻に言ったら大反対だろうな。

本能寺の変の謎がいま!解き明かされる?『信長殺すべし』

信長殺すべし

  • 書名:『信長殺すべし』
  • 著者:岩崎正吾
  • ISBN:978-4062633396
  • 刊行日:1996年9月15日
  • 発行:講談社文庫
  • ページ数:417
  • 形態:文庫

日本の歴史の謎ベスト10を実施したら、邪馬台国がどこにあったのか?とおそらくトップを争うであろう出来事が本能寺の変である。

何故光秀は信長を襲ったのか?何故秀吉は中国大返しができたのか?何故織田陣営の中で光秀に味方するものが少なかったのか?何故家康は伊賀越えをして三河まで逃げ帰ったのか?何故信長の子供達はすぐに光秀の討伐の兵を起こさなかったのか?などなど、クエスチョンマークのつくことばかりで本能寺の変の謎を考え始めたらキリがない。

安部龍太郎の『信長燃ゆ』では本能寺の変を演出したのは朝廷側の近衛前久であったし、加藤廣の『信長の棺』では秀吉の暗躍がにおわされている。

本能寺の変という事件の実行犯は明智光秀というのは、本能寺の変を扱った創作では大前提となる事実であるが、それを操った黒幕が誰であるか?というのが本能寺モノのウリであり、筆者の腕と想像力の見せ所である。

光秀を操った影の主役候補として有名なのが、まず羽柴秀吉、次に徳川家康、そして近衛前久、これが本能寺の黒幕3大候補であろう、私立大学で言えば早慶上智と言ったところ。

その次のMARCH(明治、青山、立教、中央、法政)レベルなのが、足利義昭、四国の長宗我部元親、中国の毛利、信長に滅ぼされた大名家の遺臣たち、イエズス会であろうか。

で、さらに気になってくるのが光秀が何故実行犯となったか?というところである。その理由としてはずっと信長を恨んでいた、そもそも天下を狙っていた、突発的に襲ってしまった、頭がおかしくなった、などなどである。

で、本書ではそれらの百家争鳴とも言うべき本能寺の謎たちというか、定番の謎をなぞりつつ独自の結論を出すに至るのである、その結論は本能寺の黒幕は甲斐の武田家の遺臣である忍者であるというのだ・・・

筆者は山梨県出身のミステリー作家、だから結論が武田の忍者ということになったのであろう、でその結末自体は本書のウリではない、おそらく筆者のふるさとへのリップサービスみたいなものだ。

本作のウリというか面白いところは本能寺の黒幕がどうか?というよりも、信長を主役とした映画で信長役をやるはずだった俳優が、百花争鳴状態の本能寺の変の謎を整理しつつ読者(物語の中では信長の映画の映画監督や脚本家、秀吉役の落語家など)に説明し、黒幕を推理するという形式になっているところである、非常に珍しい・・・

私はブックオフの100円コーナーでひょいとジャケ買いをしたので、いきなり映画俳優が出てきて面食らったわけである、あ、失敗したかもと思った。最初の50ページくらいまでは何度か読むのやめようと思ったが結局読んでしまった。

で、結局なんだかんだ文句もありつつまあまあ面白かったと思う、途中誰がしゃべってるのかわからない場面とか、前時代的な言い回しに興をそがれたりしたが、大幅な書き直しなんかをして主人公をアニメみたいなキャラクターにしたら結構ウケルんじゃないか、歴女に、と思った、いや受けないか。

あと、普通の歴史小説ではあまり書かれない参考文献が丁寧に巻末に載っている、岩崎さんはかなりマジメなひとなんだなと思った次第である。

あ、あと、面白いなと思ったのが、秀吉が信長を備中高松までおびき寄せて殺そうとしていたかもという説、確かにと思った。

朝6時半の公園 『素晴らしきラジオ体操』

ラジオ体操

  • 書名:『素晴らしきラジオ体操』
  • 著者:高橋秀実
  • ISBN: 978-4094181012
  • 刊行日:2002年8月
  • 発行:小学館文庫
  • ページ数:264
  • 形態:文庫

朝帰りを頻繁にする不真面目な方は知っているかもしれないが、午前6時半頃、朝もやの煙る公園に老人達(中には若い人もいます)がゾロゾロと集まりだす。

それを見たら、「こんなにたくさんの人がこの時間にジョギングをしているんだ」と思うかもしれないが、その老人達(もちろん若い人も時々います)の多くは一つの場所に向かっている。

その場所の中心にはラジオがドデンと置かれていてそのラジオを中心として同心円状に老人達(若い人も混じっている事があります)が集まっているのである。

なんだ、なんだ、これは?と思う間もなく

「チャンチャカチャカチャカ、チャンチャカチャカチャカ、チャラララララララ、レレレレレ、ポロン」と聞き覚えのある音楽がラジオから流れ出し、老人達(よく見ると若い人もいます)がいっせいにラジオ体操を始めるのだ。

午前6時半に公園に行かなければ絶対に見られないのだが、結構な人数の老人達(しつこいようですが若い人もいます)がいっせいにラジオ体操をやっているのは壮観ですらある。

気になった方は是非近くの公園に午前6時半に行ってみて欲しい、少しでも遅れるとラジオ体操は終わってしまいそこには誰もいなくなってしまうので寝坊しないように。

そんな老人達(ホントウにしつこいが若い人もいるにはいます)のラジオ体操の謎に迫ったのが本書である。

戦前にアメリカから日本に導入されたラジオ体操は戦争、戦後を経て今に至ることになる。

ラジオ体操をしているある男性の一言が非常に重かった、筆者が健康とラジオ体操について聞いたのだと思うのだが、

「ラジオ体操しているから健康で長生きなんじゃなくて、長生きしてしまったからラジオ体操してるんです」

とその人は答えたのである。

非常に読みやすく興味深い本であり、笑いながら読んでいると平易な日本文化論になっている事に気づいた。

ちなみに著者名の読み方は「たかはしひでみね」です。

早稲田の男おいどん『ワセダ三畳青春記』

アパート

  • 書名:『ワセダ三畳青春記』
  • 著者:高野秀行
  • ISBN:978-4087476323
  • 刊行日:2003年10月
  • 発行:集英社文庫
  • ページ数:293
  • 形態:文庫

辺境冒険家の高野秀行の作品だが、今回は彼は冒険には出かけない、本作は高野秀行が早稲田大学の学生時代に住んでいた下宿のお話である。

早稲田大学のすぐ近くにある野々村荘の3畳間に偶然入居する事になった高野秀行は、そこで下宿のおばちゃんと住人達との貧乏だけども幸せで波乱に満ちた(?)下宿生活をスタートさせる。

松本零士作の『男おいどん』という傑作下宿生活マンガがあるのだが、本作品はそれのまさに80~90年代版といったおもむきがある(ちなみに『男おいどん』が生活する部屋は4畳半であり、高野秀行の部屋よりも1畳半広い)。

高野秀行の下宿生活の詳細はあえてここでは書かない、のらりくらりとした文章がうまいので読み始めればすぐに高野&野々村荘ワールドにとり込まれること請け合いである。

実は高野秀行の作品は辺境冒険モノよりも、街で暮らしている日常モノの方が外れが少ない、筆者の得意の冒険モノではないのに出版されているという事実がそれを物語っている。

野々村荘が気になったので調べてみたが、どうやら本当は違う名前のよう、まだ早稲田にあるのだろうか。

Nexus 5Xが欲しいけど10「やっぱりさよならY!mobile」

Y!mobileからNexus 5Xに機種変したらキャッシュバックしますとのお知らせ来る

Y!mobileにしたままだと、Nexus 5の機種代金を払い終わっても特に安くならないからもうY!mobileをやめようと思っていたがここに来てついにNexus 5Xに機種変更したらキャッシュバックするとのお知らせがY!mobileより来た。

届いたのはこんなお知らせ。

Nexus 5Xに機種変すると10,000円のキャッシュバックをします、商品券だけどねというお知らせ 本日(2015年12月18日)の午前中にワイモバイルよりNexus 5のハングアウトに届いたMMSのメール[/caption]

1万円のキャッシュバックをすると言っているが、商品券とのこと。どんな商品券かはわからないので、もしかするとY!mobileのショップ専用の商品券かもしれない、そんなのどこで使うんだよ!と思うが、実際にどんな商品券が来るかはわからない。

で、Y!mobileの公式サイトに行ってみたのだがNexus 5Xへの機種変更の情報がどこにもない、つーか私は探せなかった。なので、これは間違いでしたと言われてもこっちは文句が言えない。情報を待ちたいが、情報は出てこないかもしれない。

Y!mobileでNexus 5のままの場合と、Nexus 5Xに機種変した場合の月額代金

で、キャリアをY!mobileのままにした場合、Nexus 5使い続ける場合と、Nexus 5Xに機種変更した場合の月額料金をまとめてみた。

[Nexus 5の端末代込みの月額]

基本使用料:3,696円

オプションサービス料:300円

端末代:2,100円

月々割:-1,556円

データ通信量:4GB

合計:4,540円

1GBあたり1,135円(月額をデータ通信料で割った額)

[Nexus 5の端末代完済後の月額]

基本使用料:3,996円

オプションサービス料:300円

データ通信量:4GB

合計:4,296円 1GBあたり1,074円(月額をデータ通信料で割った額) ※完済後もキャンペーン価格を適用してくれるらしい、前回の「さよならY!mobile」を参照

[Nexus 5Xの端末代込みの月額]

基本使用料:3,218円

オプションサービス料:不明

端末代:3,132円

月々割:不明

データ通信量:1GB

キャッシュバック相当額:-416円(キャッシュバックの1万円を24ヶ月で割ったもの)

合計:5,934円

1GBあたり5,934円(月額をデータ通信料で割った額)

やっぱり高い、Nexus 5Xにした方が2,000円弱高い。で、さらにデータ通信量が4GBから1GBになる、なんと4分の1である。

今まで使っていた4G-Sプランは機種変更すると使えないのである。

だから1GBあたりの通信料がバカ高くなる、Nexus 5Xにすると・・・

うーん、キャッシュバックされてもそもそも高いんだよな、端末代も高いし、通信料もデータ量が減るのに安くならないから実質的な値上げである。

なめてんのかY!mobileは。

だからやっぱり、格安キャリアに乗り換えよう、そうしよう。

私の更新月は来年の1月なので、早く乗り換え先を探さなきゃ。

連載終了 「NEXUS 5Xが欲しいけど」バックナンバー

  1. 「理想と現実」
  2. 「Nexus 5のままでいいのか?」
  3. 「Nexus 5、Nexus 6、Nexus 5X、Nexus 6Pのスペック比較してみた」
  4. 「Android6.0は何が変わった?フォントだよ!」
  5. 「Y!mobileでの月額料金が決定・・・」
  6. 「買わないことにした」
  7. 「買わないことにしたけど、欲しくなる」
  8. 「(Nexus 5Xが買えない)Nexus 5ユーザーに送るNexus 5Xとのスペック比較」
  9. 「さよならY!mobile」
  10. 「やっぱりさよならY!mobile」
  11. 「欲しい端末が出てきた?けど」
  12. 「ついにMNP予約番号をって、取れないじゃん・・・」
  13. 「MNP予約番号を取得!そして格安SIMに申し込んだ」
  14. 「格安SIMに乗り換え完了、Nexus 5をしばらく使う予定」
  15. 「Nexus 5の後継機はAcer Liquid Z530に」(番外編)

人生を野グソに捧げる男の半世記 『くう・ねる・のぐそ 自然に「愛」のお返しを』

くう・ねる・のぐそ

  • 書名:『くう・ねる・のぐそ 自然に「愛」のお返しを』
  • 著者:糞土師 伊沢正名
  • ISBN: 978-4635047791
  • 価格:980円(税別)
  • 刊行日:2014年7月5日
  • 発行:ヤマケイ文庫
  • ページ数:294 + 袋とじ
  • 形態:文庫

本物だ。「21世紀の奇書」とあるが誇張ではないと思う、奇書に見せたいと思ってふざけた感じで作られた本なのかもなと思って読み始めたが、この著者は本物である。

世の中的には奇人・変人の類にくくられる人なのかもしれないし、実際に奇人なのか変人なのかは会ったことがないのでわからないが、著者のウンコにかける情熱は本物である、読んでみりゃわかる。

水洗トイレと下水道を使って人間のウンコ(栄養)を自然に返すということは膨大な資源の無駄遣いだと感じた著者は、その栄養を直接自然に返してやれと思い野グソ(キジ撃ちと言うらしい)をはじめるに至る。

そして初めての野グソから33年かけて野グソ回数1万回を達成するのである、パチパチパチ。1年365日として、33年だと12045日、だから大体1.2日に1回は著者は野グソをしていたことになる、ほぼ毎日といっても差し支えないだろう。

いやあすごい、行間からウンコへの熱い思い(臭い)が漂ってくるようだ。お尻に優しい(拭くのにちょうどいい)葉っぱやキノコの紹介もされているので、機会があれば私も野グソをしてみたいなと思った次第である。

なお公園で野グソは軽犯罪法違反になる可能性があるようだが、著者の見解によると自然に栄養を返す環境保護行為なのでギリギリセーフのようである(見つけた警官がどう扱ってくれるかにかかってるけど)。

あ、あと最後にウンコが土に返っていくまでの克明なレポートも載っていて、著者はそのウンコを食べちゃいます、チーズみたいで結構おいしいのかもなと私は思いました。

ウンコでおなかいっぱいになった読書でした、文庫なのに1,000円と結構高いが袋とじつきなのでお買い得?です、袋とじは野グソの掘り出し調査の写真みたいですが、私はまだ開けてないので開けるのが楽しみです。

外でウンコができない君たちに向けて 『東方見便録 「もの出す人々」から見たアジア考現学』

東方見便録

  • 書名:『東方見便録 「もの出す人々」から見たアジア考現学』
  • 著者:斉藤政喜
  • イラスト:内澤旬子
  • ISBN: 978-4167157173
  • 価格:600円(税別)
  • 刊行日:2001年4月10日
  • 発行:文春文庫
  • ページ数:429
  • 形態:文庫

東方見聞録ではなく、東方見便録である。アジアのトイレ事情を特にウンチ(ウンコ)の視点から捉えたのが本書である。

内澤旬子がイラストを描いたというので以前より気になっていたのだが、新刊書店では見つからない、「内澤旬子のウンコの本」と頭の片隅にずっとあったのだが渋谷のブックオフの100円文庫コーナーで無事に見つけられた。

著者である斉藤政喜はバックパッカーであり野宿の達人でもあるらしい、彼が中国の開放トイレや天安門広場の穴だけトイレ、ブタにウンチを食べさせるトイレ、インドやイランのアーフターベのお水でお尻をキレイにするトイレ、タイの「本物」水洗トイレなどに体当たりでウンチ体験をする。

トイレの実際の写真を載せると汚いので、実際のトイレの様子は内澤旬子のイラストで説明されている。

私は30歳くらいになるまで外でウンチができなかった、潔癖症のため人の使った洋式便座が汚く思え、やむを得ず外でトイレに入っても持参したアルコールティッシュで入念に便座を拭いてからでないとウンチができなかった。

外でウンチができないため、死ぬ思いで家に帰ってきたことも多々ある。電車に揺られながら、う、ヤバイ、これはやばい・・・漏れてしまう、ここで漏らしたら人生終わるな、と悶えつつ駅に着き、家までの道のりを身体をくねらせ汗だくになりながら歩いた。

途中の公園のトイレでしようかと思ったりもしたが、汚いところではできない・・・ってアホか。でも数年前までそんな状態だったのである、あたしゃ。

それが少し変わったのは子供ができてからで、子供と外に出ていると私の都合でウンチをするキレイな場所を探す、みたいなことはできないのだ。

やむを得ず、と言ってもデパートのトイレだが、そこでブリブリっハァーとウンチをすることができるようになったのだ。

で、最近思ったのだが家のトイレはともかく、不特定多数の人が使う外の大便器は和式にするべきではないかと思ったのだ、だって便座がなくて汚い便座にお尻が触る不快感がないではないか、和式は。

以前、やむを得ず入った府中競馬正門前駅のトイレが和式で、なんかイヤだなと思ったがウンチをしてみるとお尻が便座に触れないっつーか便座がない!これは画期的!と感動したのだ。

本書でも色々なトイレが出てくるのだが、一番汚いなと感じるのは密室の洋式のトイレなのだ。中国の悪名高き?開放トイレはそこまで汚い感じはしない、さらに野グソに近い状態になるともうほとんど汚く感じないのだ。

つまりトイレの何がダメって、密室でわけわかんないというか知らない人のウンチのようなものに触れなくてはならない状態であり、なんつーかそれは洋式の日本によくあるトイレが一番汚い感じがするから私がそれに嫌悪感を覚えてもしょうがないっていうか、世のトイレは天井をなくして和式にすればいいのではないかそうではないかって思うのだ。

あと、本書は会社の昼休み中に弁当を食べながら読んだが、ご飯食べながら読むのに向いた本ではありません。

爽快?なリストラ小説『君たちに明日はない』

kimitatiniasuhanai

  • 書名:『君たちに明日はない』
  • 著者:垣根涼介
  • ISBN: 978-4101329710
  • 価格:590円(税別)
  • 刊行日:2007年10月1日
  • 発行:新潮文庫
  • ページ数:436
  • 形態:文庫

本書の主人公は企業からリストラ業務を依頼され、企業に乗り込み実際のリストラ面接をし、依頼企業の社員のクビを切る仕事をしている村上真介、そしてもう1人の主人公は章ごとに出てくるリストラ企業に勤める社員たちである。

何で自分が、こんなに頑張っているのに、勝手だ!ふざけんな!という社員側の視点と、面接官側の真介の視点が交互に描かれ物語は展開していく。

とくにスジに驚きや、ヒネリなどはなくストレートに物語は進んでいくが、登場人物たちの人間臭さがうまく書かれていてするりと読めてしまう。

私は実際に会社からクビを切られたことはないが、同僚が解雇通告を受けた場面を見たのは4回ほどある。

1回目はバイトをしていたゲーム問屋で、ECショップ部門だった私の同僚のバイトが3人やめさせられた。何でだったかは忘れたが、上層部からあまり好かれておらず、さらに仕事をサボっているのではないか?という疑惑がかけられてそのような事態になったと記憶している。

2回目は今年の初めまで勤めていた会社でのことだった、数年前の秋にその年の春に入った新卒の男性を半年で解雇したのだ、驚いたが私にはどうにもできなかった。

3回目も今年の初めまで勤めていた会社でのことだった、去年の春に業績不振のため減給があり、それ以降自主退社をした人たちが数人いたのだが、秋になりなんとまた新卒の男性と女性を1人ずつ解雇したのだ、またかよ、と思ったがその時は新卒を半年後に解雇するのを繰り返すような会社にいる方が不幸だよな、彼らにとっては将来的に見るとよかったのかなと思った。

で4回目も今年の初めまで勤めていた会社でのことだった、私の隣の席で働いていた同僚がクビを切られた。私と似たような仕事をしていた。私を切るか彼を切るかで迷ったが、彼との差は家族がいるかだったようだ。でも彼は私が辞めることになったらまた会社に戻ってきた。

なんか救いようのない話になったが、本書で書かれるお話はもう少し救いがある、リストラの不幸な話ではあるが全ての話で「頑張っている人にはそれなりの報いがある」という結果になるので、嫌な気持ちにはなりません。

ああよかった。

バオ・ダイでもなく溥儀でもなく 『クォン・デ―もう一人のラストエンペラー』

イカのえんぺら・・・ではない

  • 書名:『クォン・デ―もう一人のラストエンペラー』
  • 著者:森達也
  • ISBN: 978-4043625048
  • 刊行日:2007年7月
  • 発行:角川文庫
  • ページ数:351
  • 形態:文庫

あるベトナム人留学生から日本で亡くなったベトナムの王族がいるという事実を知った森達也が、ベトナムの王族「クォン・デ」の生涯を追っていく。

20世紀初頭、日露戦争で大国ロシアに勝ってしまった日本は欧米列強から圧力を受けていた当時のアジアの国々から大きな憧れと羨望を受けていた。

ベトナムも東遊(ドンズー)運動と称して多くのベトナムの若者が日本に渡り、クォン・デも日本にやってくる・・・

森達也はクォン・デの波乱に満ちた生涯をドキュメンタリータッチではなく、あえて小説風になぞっていく。

森達也の感傷的な文章は甘ったるく感じることもあるが、本作ではその甘ったるさがいい味付けとなり、なかなかに読ませるものになっていた。

歴史モノというジャンルに入ってしまうが、主な登場人物の来歴をわかりやすく説明しているので歴史ギライの人にもオススメします。

上司の嫉妬は怖い 『朝の霧』

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  • 書名:『朝の霧』
  • 著者:山本一力
  • ISBN: 978-4167901806
  • 刊行日:2014年9月10日
  • 価格:500円(税別)
  • 発行:文春文庫
  • ページ数:266
  • 形態:文庫

本作の主人公は波川清宗(玄蕃)、戦国時代の長宗我部氏に仕えた武将である。初めて聞く名前なのでWikipediaで調べてみると、生年不明で1582年1月12日没とあり、Wikipediaにあるその生涯の記述は非常に少ない。

Wikipediaの記述は以下の通り。

土佐国高岡郡(現在は吾川郡)の波川城主で、長宗我部国親に側近として仕えた。一条兼定を滅ぼした功で、国親の娘(長宗我部元親の妹)を正室に迎え入れ一門衆となる。その後も、国親の子・元親の四国統一に貢献して、幡多郡山路城主となった。

しかし、伊予国河野氏から寝返ってきた大野直之を援護するために派兵された際に、河野氏の援軍に訪れた小早川隆景軍と独断で和睦を結び、直之を見捨てて退却するなど失政を犯したため、蟄居させられる。その不満から天正8年(1580年)に反乱を企んだが露見し、阿波国へ逃れたが結局は自刃して果てた。

なお、子の波川清久は殺されずに、波川氏幕末まで続いた。

(Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/波川清宗 より引用)

何でこんなに記述が少ないのかの理由は明白で、1580年に反乱を企てたからである。実際に反乱をする意志があったかどうかはわからないが、反乱が失敗したのであれば鎮圧した側(長宗我部氏)が好きなように理由を書く。

誰かに陥れられてやむを得ず反乱という形になってしまったのかもしれないし、全くの濡れ衣で反乱という罪をなすりつけられたのかもしれない。

本書では波川清宗は上司である長宗我部元親の嫉妬により失脚させられたという立場を取り、夫婦ともにその悲劇に向かっていく様が書かれている。

南国土佐を舞台にしているが、タイトルである「朝の霧」という名前が暗示するように、結構暗い話であり、太陽キラキラという感じではない。

帯には「夫婦愛」、「感涙の時代長編」とか書かれているが、夫婦が最後に逃亡先で楽しく暮らすということでもないのでなんか夫婦愛とか感涙というのとはちょっと違う。

重くズッシリとくる読書であった、なんだろう岩でできたチョコレートを食べたらこんな風に感じるのだろうか。

私の勤めている会社には課長や部長がおらず私の上司は社長ということになるのだが、社長から毎日嫉妬の目を向けられたら怖いっつーか会社辞めるよ。

で戦国時代の武将はそう簡単に会社辞めますとは言えず、自分の属する地域の共同体全体でお殿様に付き従っているような関係なのでそんなことは言えるわけない、いや言えるんだけどその場合は戦争になるのである・・・

私は戦国武将ではなくてよかったと思った読書だったのである。