- 書名:『吉里吉里人(上・中・下)』
- 著者:井上ひさし
- ISBN:-
- 刊行年:1985年
- 発行:新潮文庫
- 価格:-
- ページ数:-
- 形態:文庫
本作の作者・井上ひさしは、『ひょっこりひょうたん島』の原作者である(山元護久と共作)。
私が小学5年生の時、NHKで「ひょっこりひょうたん島」のリメイク版が放送された。
毒を含みつつも希望に溢れたセリフを喋り、いきなり耳に残る歌を歌いだす人形の出演者達に私は魅せられてしまった。
小学校5年生当時の私は、何気なくそのリメイク版を見始めたので、あとでビデオに録画していなかった事を多いに悔やんだものである。
しかし21世紀に入ると、NHKはひょっこりひょうたん島のリメイク版のDVDを発売、私もそのDVDを手に入れる事が出来てああ良かったとなったのである。
東北地方の村、吉里吉里は日本国からの独立を宣言する。
そこにたまたま居合わせた三文小説家である古橋健二の視点から独立騒動の顛末が描かれるのが本作『吉里吉里人』である。
一筋縄でいかない登場人物達とその名前、ひょうたん島のようにいきなり始まる歌と詩の数々、頻発する駄洒落と猥褻ギャグ、辛辣な風刺、そして理想主義。
登場人物が変わっただけでまるでひょっこりひょうたん島であった。(猥褻なギャグはひょうたん島にはなかったけど)
上中下巻なので読むのに3週間もかかってしまったが、私が読んだ小説の中でベスト10に入る面白さ。
いやあ、よかった。