私は焦っていた。
場所は小学校の教室のようなところ、私は教壇に立ち授業の準備をしている。
席は半分くらい埋まっていて、座っているのは高校生くらいの男女。
私は授業で使うマイクをスピーカーにつなげようとするのだがうまくいかない、それを見て生徒の一人が何か言う。
やっと準備ができて、今日の授業のコマのタイトルが書いてある紙を見る。
「空海上人ついて」と書いてある。
これは世界史の授業ではなかったか、空海上人?
心はさらに焦る。
教室を見渡すとさっきより人数が増えていて、立ち見をしている人たちもいる。
さらに気持ちは焦る。
そうだ、生徒に聞けばいいのだ。
「えー、空海上人について何かわかる人はいますか?」
何人かの生徒が手を挙げる。
一人目を指す。
「洪水対策です!」
洪水対策なんてやったっけ?でも歴史上の有名な人物は大体治水を行っている、うん、水は大切だし。
たぶん大きく外れてないだろう。
「うむ、そうですね」
「次、そこのあなた」
「洪水対策です!」
また、洪水、洪水は確定、空海堤みでも作ったのだ、たぶん。
「次の、君、どうぞ」
「クーデーターです」
ふむ、宗教がらみの人は大体時の政府から反逆者扱いされる、うむ、間違っていないはず。
でも、この話どうやってまとめる?空海について私はほとんど知らない、いや、知っているのかもしれない、でも空海って・・・上人と付くと大体同じ人のような感じがするし・・・・あと50分くらいどうやってこの場をつなぐのだ・・・
で目が覚めた。
夢でよかった。
で、疑問に思ったのだが、私の夢の中で空海についてさも知ってるように答えていた生徒たちは誰の意識が作ったのだ、私なのか、だとしたら私は空海の業績について色々知っていてもよかったのではないか。
君は誰なのだ。私たちはいったいどこへ行くのか。
私の頭の中なのに私が立ち入れない領域があるのだろうか。
謎は深まるばかりの年末の朝なのであった。