ついに開いてしまった禁断の扉~Webで読む無料漫画について~本との出会い

yjimage最近、Yahoo!のトップページに、漫画を無料で読めるコンテンツが毎日更新されていて、それを時々楽しんでいる。

今年からスマートフォンを買ったので、ついつい通勤中の電車内でネットを眺める時間が増え、その合間に、「無料でコミック毎日配信中(こんなコピーだったかは定かではないが)」というコピーを発見し、ついついそれに釣られ、見たのがきっかけだった。

今更新中なのは、『ジョジョの奇妙な冒険』『デス・ノート』『花より男子』の3つ。ちなみに僕が読んでいるのは『ジョジョの奇妙な冒険』である。

僕からすると、『ジョジョの奇妙な冒険』とは、「ついに出会ってしまったか」、というちょっとした感慨深い想いがある。というのも、読む機会は今まで沢山あったにもかかわらず、読まずにきた。そんな本だからである。

元々、漫画をそんなに読む方ではなかったし、どこかで漫画なんか読むのは時間の無駄だよなあと思うところが昔からあった。(小学校の頃の教育方針が漫画を買ってはいけない、というものだった)でも漫画だって面白いものは面白いと気づいてからはよくよく読むようになった。それに気づけたのは、学生の頃だった。

僕が学生時代の頃は、ちょうど、チェーンの大型古書店が流行りだしたときで、何より安価で手に入るし、宝探しをしているような気分になれるのが楽しくて、暇があればなんとなく、ブックスーパーいとうやブックステーション、BOOK・OFF、古本市場などによく通っていた。

そこで、今まで友人に薦められながらも読むことがなかった漫画に触れることになる。前述のように、自分の家庭環境が漫画を買ってまで読むような雰囲気(漫画は時間の無駄という雰囲気?)でなかったのも漫画に触れない原因のひとつだったが、そんなある意味抑圧されていた僕の漫画への購買意欲は、大型古書店で徐々に発揮されていく。

ちなみに、一度人の手に触れている本、古本というのは、色々な意味でどこかその買主にとって魅力があったものに違いないから、今は売り飛ばされて値段を下げられて本棚に甘んじている本なのかもしれないが、その本の内容に期待に胸膨らませた人がいるという過去を持っているはず・・・それにドキドキするのだ。

そう思うと、どれもこれも見返せば本当はいい本ばかりなのかもしれない、と僕は胸躍らせたものだった。

しかし、そんな学生時代の僕にも結局読まれなかった漫画のひとつ、それが実は『ジョジョの奇妙な冒険』であった。

友人にそのよく分からない不思議な世界やスタンドという特殊な技?などについて、魅力を語られたが、まずどうも、その漫画の絵が気持ち悪くて受け入れられない。設定もふざけている。登場人物の名前なんて、読者を馬鹿にしてるようなものばかりに思えた。

そんな思い込みが、古書店で手には取ってみたも中身を開くまでにはいたらない、そんな日々が続き、次第に縁遠くなり、そしていつか忘れ去られていったのであった。

そんな出会わずにいた僕と『ジョジョ』。それがスマートフォンでいとも簡単に出会ってしまったのである。

今はこんな風にスマホで漫画を気軽に読めるなんて普通かもしれないが、それを自分が楽しんでいるなんて。まだまだ大型古書店時代を忘れられない自分にしてみれば、本当に驚くことばかりだ。ネットもそうだが、まずその漫画を読めるアプリ?の仕組みから理解できないのだから。

読んでいて、後でデータ使用容量やら請求やらその他いろいろな大変なことが身に降りかからないか、もしかして自分はネットの甘い罠に陥っているんじゃなかろうかとふと思う。最近では特に必要最低限のことでしかネットに触れて調べたりしない生活のせいか、頭のどこかで不安がりながらも恐る恐る利用している感じだ。

まずあれほど気持ち悪がっていたはずの『ジョジョ』を読んでいる自分がちょっと怖い。ネットの甘い罠。それは手軽さと中毒性を以って、僕に『ジョジョ』を読ませている。カラフルな絵で僕に画面の「今すぐ読む」ボタンをクリックさせ、確かな物語の展開と世界観でグイグイ僕を不思議な世界へと引き込んでくる。

こんな甘い罠を仕掛け、禁断の扉を開かせた仕掛け人は誰なのだろうか。

『ジョジョの奇妙な冒険』と調べれば、たぶん有名な少年漫画なのでいろいろと分かると思うので内容紹介はしない。だが、一歩間違えば、何十年ももしくは一生出会わないこともあるのが、たぶん本との出会いというものなのだ。

今更新されているのは、2巻目の途中くらいまで。まだまだ先は長い。

そんな本との出会いの多様化にしみじみしながら、ジョジョの面白さに日々嘆息する毎日なのであります。