赤字のために減給をされ、これはもうやばいぞ、会社なくなるかも、急がなきゃということになり、転職活動を再開することにした、というのが前回までのお話。
営業職の2人が去り、私はビデオカメラを売る
既に前回の話でも書いたが、辞める事になった営業の2人(男性と女性)が会社を去っていった。営業職の2人とは製品パッケージや製品サイトの作成でよく一緒に仕事をしていたので、寂しかった。
従業員の数も20人に満たない会社なので2人抜けると、いやその前に2人抜けてるから4人抜けてるのか。4人いなくなるともうそりゃ半分くらい逃げた、みたいに見えるのだ、残された側からすると。
その分新入社員が2人増えたから差し引きで2人減ったわけであるけど事情を知らない新入社員2人というのはもうどうにも、なんというか、心が重い。
減給されたので年に一度の夏のボーナスも今年はないだろうと思い、数年前に購入したビデオカメラを売ることにした。
その年は会社が社長によると設立以来一番儲かったという年だった。ボーナスも多く出たのだ。まあ本当はそれが業績が下降線になるターニングポイントだったようにも思うのだがその時はそんなことには気づかない。
お金が入ったから社員旅行にも行こうかとなり、みんなで海外まで旅行に行ったが、そんなことしてる場合ではなかったのだ。楽しかったけど。
私は結婚もしていなかったので、以前より欲しかったSONYの民生用ビデオカメラの一番高いやつを購入した。結構いい値段した、私の給料くらいした。
それで短編の自主映画でも撮ろうと思っていたが、その後に結婚をしてそれどころじゃなくなった。というか働いていたら短編映画作るのって大変です。
結局そのカメラで撮影したのは友人の知り合いのライブ映像くらいであった。ホントなんて贅沢な使い方。息子をそれで撮影しようと思ったけど、結局撮らなかった、ごめんよ息子。
で、そのホトンド使っていないビデオカメラを売り払うことにした。金額は購入時の3分の2くらいであった、懐は少し暖かくなったけど、なんというか私の大切なものがどんどんなくなっていくようなホントウに心細い気持ちになった。
そんな中Java SE 7 Bronzeに受かる
以前適当に受験して返り討ちにあった、Java SE 7 Bronzeの資格に遂に合格した。減給されて転職を頑張ろうと決めて私もちょっと頑張ったのだ。
なんというか、絶望の中の希望の一筋といったら言いすぎだけど、悪いこと続きの中では一番うれしい出来事であった。
家の購入もうれしい出来事ではあるのだが、まだローン返済が始まったばかりで私たちのものではない、収入が無くなれば私たちの手から離れていってしまう。
その点、資格なら収入がなくなっても離れて行ったりはしない。
その資格が仕事で実際に使えるのかというのは疑問の残るところではあるが、自分の自信と面接でこれを頑張りましたと具体的なものとして言えるのがでかい。
半年ぶりの面接が決まる
そして、次の面接が決まった。
前の年の11月に面接に行ったのが最後、面接が決まったのは7月だったので半年以上のブランクとなる。その会社は目黒にある開発会社であった、スマホのアプリなどを開発しているようだ。
おそらく給料は下がるだろうなとは思ったが、半年以上の面接のブランクを埋めなくてはならないし、Java SE 7 Bronzeの資格がその会社からどのような捉え方をされるのかを確かめなくてはならないので行ってみることにした。
あと、少人数でアットホームな感じの雰囲気だろうなと思ったのもある、圧迫面接みたいなのはしないだろうし、練習にはちょうどいい。
会社を早めに出て、渋谷駅から山手線に乗って目黒へ行きその会社をたずねた。
駅から歩いて5分くらいの大きめのマンションの中に事務所があった、普通に住んでる人の住居と事務所などが混じって存在してるようなところだった。
経理と人事を担当していると思われる、副社長的な40歳くらいのおっとりした雰囲気の男性と面接をする。
その男性よりも少し若い、というか私よりも若そうな社長もすぐに出てきた、気さくな感じで、少人数でアットホームという予想は当たった。
自社開発アプリを作りつつも、請負で大きなプロジェクトに一部の社員を派遣するような感じの業務を行っているとのこと。
Java SE 7 Bronzeを取った話をするが、反応は思ったよりも悪くなかった、その資格自体を評価するというよりも、やる気あるんですね、みたいな感じだった。つまり、マイナスにはならない感じだった。
社長はかなりマジメな感じで、私をどこの部署に配属させようか真剣に悩んでくれていた。未経験というのと、家族がいるために私が要求する給料が高いというのが私をどうしようか悩む理由とのことだった。
現状の私はプログラムの技術はほぼ0で、デザインができるという状態。なので、デザインの実績を活かしつつプログラミングを頑張れるような都合のいい現場があれば採用はできるかもということだった。
面接自体は他の社員が作業している部屋にあるソファーで行われ、面接の話は全員に聞こえている感じだった。
社長が私に適任の仕事があるかどうかという話を、他の社員にも気軽に聞いたりしていて風通しはよさそう。
目黒という立地のせいか、渋谷のIT系のようなかっこつけた感じが全くなくて、ここで働けたらいいなとは思った。
よろしくお願いしますと言って面接は終わった。
希望額と合わず落ちる
すぐに面接の結果が来た。
というか、まあわかっていたことだが、希望額と合わず今回はごめんなさいということだった。
メールをしてきたのは、経理と人事担当の感じのいいおっとりした副社長っぽい人だったので、なんでダメだったのか、そいで私が薄給でもいいですと言った場合いくらもらえることになるかを返信で聞いてみた。
すぐに丁寧なメールが来た。
見込み残業代も含めて、今の私の税込み給料から10万下がるとのことだった。希望額と出せる額に10万の差があれば採用はできない、私の希望額は減給された税込み給料と同じ額だったのだから。
減給されても現状の自分の給料が結構高めであるということと、Java SE 7 Bronzeはマイナスにはならないということがわかっただけでもよしとしようと思った。
連載 「新・さ迷える転職大変記」バックナンバー
- 新・さ迷える転職大変記 第1話 「会社辞めるよ」
- 新・さ迷える転職大変記 第2話 「転職活動開始」
- 新・さ迷える転職大変記 第3話 「最初の面接」
- 新・さ迷える転職大変記 第4話 「スマホゲーム嫌いなんです」
- 新・さ迷える転職大変記 第5話 「二次面接へ」
- 新・さ迷える転職大変記 第6話 「活動はちょっと落ち着く、会社にはドンドン行きたくなくなる」
- 新・さ迷える転職大変記 第7話 「Javaの学校へ、そして家を買う話が出てくる」
- 新・さ迷える転職大変記 第8話 「心療内科へ」
- 新・さ迷える転職大変記 第9話 「また面接へ、特にビジョンはありません」
- 新・さ迷える転職大変記 第10話 「おたく、何の会社ですか?」
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- 新・さ迷える転職大変記 第16話 「カウントダウンは続く」
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