新・さ迷える転職大変記 第15話 「カウントダウンが始まる」

またまた、1年ほど間が空いてしまった、今は2019年の1月。
転職活動していた時期は2012年-2014年の間なので記憶が薄れつつあり、もう遠い昔であるが、思い出して書いてみる。

お前の仕事はザツだ

前回書いたが会社が今度出すアプリの話をしていて上司にお前の仕事は雑だと言われた。
お前はユーザーを考えたモノ作りができてないと言われた。

確かにユーザーよりも自分の将来を考えている、会社が潰れるかどうかを気にしている状態でユーザーを考えた行動ができるような器量人ではないのだ私は。

しかし、会社自体の性格がユーザー優先というよりは、スピード優先で適当でもいいからリリースしようみたいな感じなのであり私にそれを言うのもなんなんだよ、と強く思ったのである。

もう、みんな心がカツカツである。

隣の席の同僚も辞めさせられることになる。

そしてついに、私の隣に座っていた同僚も辞めさせられることとなった。

その日、彼は朝会社に来てすぐに社長室に呼ばれてしばらくして戻ってきた。

いつもどちらかが社長室に呼ばれて戻ってくると、「実は会社を辞めさせられることになりました」、と冗談を言い合っていたのだが今回はやけに顔がスッキリしていた。

どうだった?と聞くと「辞めさせられることになりました」と彼は答えた。

え、ホントウ?と聞くと「ハイ」とのこと。

で、どうやら辞めさせられることはホントウのことであるとわかった。

ついに来たか。

彼は「僕がいなくなったら○○さん(私のこと)超大変になりますよ」と言った。

確かに彼の業務はすべて私に回ってくることになるはずだ・・・

すると、私も社長室に呼ばれた。

私も切られるのかなと思って話を聞くと、どうやら私に会社の内情を教えてくれるようだ。

私と隣の同僚は、どちらを切ろうか迷ったらしいが私には家族があり彼には家族が無いのが決断する要因だったようだ。
首の皮一枚でつながった感じだが結構複雑ではある。

で、会社の資金繰り的に年内はなんとかなるから年は越せるようだ。

そこで、私の転職のリミットも決まった。年内に決めなくてはならない。

まず新入社員2人が辞めていった

今年の4月に入ってきた新入社員の2人が辞めていったというか辞めさせられていった。

2人は若いし結婚もしてないからまあなんとかなるだろうと思いつつ見送る。

私は結構無責任な先輩である、すまん。

システム会社に受かるが

年内に決めなくてはとの焦りからすぐに次の面接を決めた。

会社を早退して、都内のシステム系の会社に面接に出かけた。
雑居ビルの5階くらいのそこまで広くないフロアで、5人くらいの社員がもくもくと作業をする中、パーティションの向こう側で社長と常務と面接をした。

社長は古きよき「会社の社長」という感じで、常務も見るからに「常務」という感じ。

社員をプロジェクトに派遣するタイプの会社で、おそらく私が採用されたらまずはどこかに派遣をされて常駐することになるようだ。

社長と常務二人はいい人のようだが、結果はどうか、受かるかどうか。

で、すぐに結果が来た、結果は合格。
ちょっと意外な結果であった。

しかし給料が下がるのは避けられない。
なので断ることに。

もうひとつの似たような会社

また続けて、似たようなシステム会社へ面接へ行った。
ここも社員をプロジェクトに派遣するタイプの会社だ。

午前だけ会社に出て、いったん家に戻ってからスーツに着替えて田町にある会社まで行った。

結構大きい会社のようで、面接も慣れているようだった。

履歴書には、仕事速いですとか、すぐに覚えますとか、要領がいいです、とか書いていた、面接を担当した大柄な男性は「こうやってわざわざ書いてくるということは、ウソじゃないはず」と言っていたが、「実績がないのがなぁ」とぼやいていた。

たぶんこの会社は合格しても、これまで合格してきた会社同様給料が下がることになりそう。

で、結局この会社も縁がなかった。

たしか、この条件なら取れるけど家族いるからきついよね?というメールがきたように記憶している。

引継ぎ

隣の同僚が辞めることになり、彼の業務であるユーザーサポートと出荷業務の引継ぎ作業がずっと続く。

彼の業務はこんなに大変だったのかとため息が出る。

そして、ついに彼もわが社を去っていった。

最終日は送別ランチでみんなでトンカツを食べに行ったが、雰囲気はお通夜であった。

定時の18時半になると彼は、「では」と言って帰って行った。

引き継ぎきれずに彼は結構いろいろ残していった、飛ぶ鳥あとを結構濁している。
最後までやれよと思うが、もうしょうがない。

さあカウントダウンが始まった。

次回に続く。

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