JAVAの勉強をはじめた(再開した)けど 『JAVA 1 はじめてみようプログラミング』

JAVA1はじめてみようプログラミング 三谷純 翔泳社

  • 書名:『JAVA 1 はじめてみようプログラミング』
  • 著者:三谷純
  • ISBN:978-4798120980
  • 刊行日:2010/1/28
  • 価格:1,880円(税別)
  • 発行:新潮社
  • ページ数:280
  • 形態:CD-ROM付き大型本

私の勤める会社は4月が決算、そして前期(2013年5月-2014年4月)の赤字が決定した。

そのため、給料が下がった。

みんな同じ額下がったわけではないが私は3万円下がった。

そのため、同僚も2人辞めた。

私のおこづかいは2万下がり、妻のおこづかいは2万下がった。

次も決まらずに辞めると無給の期間が出てくるので家族のいる私にはそれはできない。

おととしの夏に精神的に調子を崩し、今の会社ではやっていられないと去年の1月くらいには転職活動を開始していた。

何社か面接に行き、内定ももらったのだが今の会社より給料が下がるので今の会社でしばらく続けよう、そう妻と決めた。

それから、去年の夏に再度精神的に調子を崩し、心療内科に行った。

その時に転職活動を再開、職種もデザイナーからプログラマーに変えることにした。

そのためにJAVAの勉強を始めた。

JAVAの一番簡単な資格(と言っても就職に有利になるわけではなく、あくまでもこれくらいの勉強をしたよ、という目安程度)を取ることにして本書を買ったのだが、去年の秋に受けた試験は見事に玉砕。

余裕、余裕と思っていたが正答率は40%、合格に必要な正答率は60%と、まったく及ばなかった。

その後、心療内科に行って心の病気を治すことを優先したためJAVAの勉強はひとまずお預けであった。

今回減給された給料額と、転職した際の給料額は大差がないことがわかった。

だから転職活動を再開した、転職の前にまずはJAVAの一番簡単な資格を取ることである。

試験はWEBで受けられるのでいつ受けてもいいのだが、万全を期して試験日は6月の最後の日曜日に決めた。

果たして結果は。

久々にサッカーの試合を見たが 『銀河のワールドカップ』

銀河のワールドカップ 川端裕人 集英社文庫

  • 書名:『銀河のワールドカップ』
  • 著者:川端裕人
  • ISBN:978-4087463002
  • 刊行日:2008/5/20
  • 価格:802円(税込 Amazon価格)
  • 発行:集英社
  • ページ数:512
  • 形態:文庫

サッカーの2014年ワールドカップブラジル大会、日本代表の初戦、対コートジボワール戦を見た。

雨だからなのか、夜だからなのか、日本代表はしなやかなコートジボワールに翻弄されていた。

日本代表メンバーは疲れているのか動きが鈍く、試合はつまらなかった。さらに後半のインジャリータイムのコートジボワール代表の狡猾?な時間の使い方にイライラした。

たしかに勝つためには必要かもしれないが何やってもいいのか?と。

ワールドカップは勝つのが大切なのだとしたら、狡猾な時間の使い方は正しい。

でも、それを見ていると嫌な気分になる。

こっちが負けているからなのか。

いままで見た中で一番楽しかったサッカーの試合ってなんだろうと考えてみる。

それは駒沢競技場に見に行った高校サッカーの試合だ、地元の都立三鷹高校が勝ち上がって。それを地元の友人たちと応援しに行ったのだ。

地元のチームが戦っていて、パスしたりシュートしたり、ディフェンスしたりするのに一喜一憂した。

だとするとワールドカップは高校サッカーの親玉とでも言うべきもので。

地元の気持ち、言うなればナショナリズムが激突する場でもある。

だからあのときの三鷹高校と今の日本代表は同じだと思えばいいのか。

でもそう思うのはちょっと難しいなぁ。

地元とは言え日本という単位だと大きすぎるもん。よく知ってる地元の人たちが出てるって気分にはなれないなあ。

で、銀河のワールドカップだが、これは地元(三鷹)の図書館で借りた。

毎週末に図書館に通い、転職に向けた勉強をしている。

その時についでに本も借りている。

超小学生級の実力を持つ3つ子の兄弟を中心にした桃山プレデターが銀河系軍団のレアル・マドリー(物語内ではレアル・ガラクシア、ジダンがゼットンでベッカムがベルバウムという名前)とミニゲームをして勝つというお話である。

クライマックスはレアル・マドリーとのミニゲームだとは思うのだが、私はジュニアクラスで日本ナンバーワンの実力を持つアマリージャを倒すところにグッと来た。

この物語には動きの悪い日本代表とか、インジャリータイムで時間稼ぎをする卑怯者は出てこないので実際のワールドカップよりオススメである。

毎年ダービーの時期は 『ダービースタリオンIII全書』

ダービースタリオンIII全書

  • 書名:『ダービースタリオンIII全書』
  • 著者:成沢大輔
  • ISBN:978-4893663290
  • 刊行日:1995/02
  • 価格:1,223円(税込)
  • 発行:アスペクト
  • ページ数:235
  • 形態:ゲーム攻略本

実家の自分の部屋の掃除をしていたら出てきたのが中学時代に猿のようにやっていたスーパーファミコンの競馬ゲーム「ダビスタ」の攻略本だった。

オグリキャップが競馬界を去り、ナリタタイシン、ウィニングチケット、ビワハヤヒデの3強が出てきたのが1993年、そして1994年にはビワハヤヒデの弟であるナリタブライアンが圧倒的な強さで3歳(当時は4歳)牡馬三冠を達成することになる。

さらに、翌年(1995年)のお正月に「ダービースタリオン3」が発売され、爆発的なヒットを記録することになる。

1995年は日本競馬界の歴史を塗り替えることになるサンデーサイレンスの産駒(子供のこと)が大活躍をはじめる年でもある。現在活躍中の日本のサラブレッドのホトンドにサンデーサイレンスの血が入っていて、当時はサンデーサイレンスでなければサラブレッドではないというくらいの勢いだった。

1995年はサンデーサイレンス最初期の大物フジキセキが早々に戦線を離脱するが、その代役とも言うべきジェニュインとタヤスツヨシのサンデーサイレンス産駒2騎が皐月賞と日本ダービーを制することになる。

サンデーサイレンスの子供達はそれからも日本の主要なレースを勝ちまくり、今ではその孫たちが日本の競馬を牛耳っている。

今年も日本ダービーの季節がやってきた。

ダービー出走馬18頭のうち、なんと16頭にサンデーサイレンスの血が入っている。

ダービーは3歳クラシックの二冠目で、一冠目は4月の皐月賞である。

その皐月賞で勝ったイスラボニータと4着に突っ込んできたワンアンドオンリーがダービーでの有力候補だとその時は思った。

しかし、ダービーが近づくに連れて牝馬の身で参戦するレッドリヴェール、安定した成績のトゥザワールド、逃げ足が魅力のウィンフルブルームなどが気になりだした。

結局レッドリヴェールを中心にした馬券を買ったのだが、結果はワンアンドオンリーが勝ち2着にイスラボニータ。

イスラボニータはサンデーサイレンスの初期の傑作フジキセキの子、そしてワンアンドオンリーはサンデーサイレンスの最高傑作であるディープインパクトを暮れの有馬記念で撃破したハーツクライ(これもサンデーサイレンスの子)の子である。

10年ほど競馬をやっているが、競馬に大切なのは最初の印象である。

成績が安定しているとかよりも、なんとなくこれだと最初に思った馬は結構来る。

しかし、競馬新聞やらオッズの人気順を見たり、ラジオやテレビの解説を聞くとほうそうかとドンドン流されてしまう。

で、迷った挙句最初にいいと思った馬とはぜんぜん違う馬を買う。

そうすると最初にいいと思った馬が来るのである。

まあ、それが楽しいんだけども。

来年のダービーは当てたいなあ。*

現在の貨幣価値を書いてくれる歴史モノ 『蒼き信長』

蒼き信長 上巻 新潮文庫

蒼き信長 下巻 新潮文庫

  • 書名:『蒼き信長(上下巻)』
  • 著者:安部龍太郎
  • ISBN:978-4101305233(上巻)、978-4101305240(下巻)
  • 刊行日:2012/11/28
  • 価格:上下巻ともに637円(税込)
  • 発行:新潮社
  • ページ数:367(上巻)、362(下巻)
  • 形態:文庫

今年の4月に務めている会社の決算があった。我が社はかなりの赤字を出すことがわかり、従業員全員が減給となった。

私は30,000円の減給となり、年額にすると360,000円のダウン。家のローンや生活費は削れないので妻と私のおこずかいが減らされる事となった。

私はマイナス20,000円、妻はマイナス10,000円。妻の方が減額率が低いのはもともと私より額が少なかったため。

携帯代などを引くと私のおこずかいは10,000円となった。これで何ができるのかと、暗澹たる気持ちになったがまずはこれで頑張るしかない。

減給となったことで以前考えていた転職をする気持ちも復活した。去年の秋に勉強してそのままになっているJAVAの勉強を再開し、転職に活かそうと考えた。

勉強は近所の図書館ですることになった。毎週末はその図書館に行き、JAVAの本を広げて勉強をしている。

勉強に集中できない時は図書館の本棚を見て面白そうな本が無いかを探す。そんな時に見つけたのが安部龍太郎の『蒼き信長』。

この作者は以前から気になっていたのだが、帯に私のキライな小泉純一郎がコメントしていて、「感動した!」などとのたまっている。

さらに作者の名前も安部で、これも私のキライな現在の首相を想起させるのでいい気がしなかった。

ブックオフの100円コーナーで見つけたら買おう、くらいに考えていた。

そんな時に図書館で見つけたので思い切って借りてみた。私の行っているその図書館はできてから1年くらいしか経っておらず、建物は真新しい。

だから借り方も新しい。図書館カードを端末に入れて、指定の読み取り位置に本を置くだけで借りられるのである。なんだかすごい、ツタヤみたいだ。ツタヤはこんな仕組みじゃないと思うけど。

本書は織田信長の父・織田信秀の代から話が始まり、信長が産まれ、その信長が家督を継ぎ、桶狭間の戦いを経て、尾張の隣国美濃を獲るまでの話である。

本書の特徴はなんと言ってもお金。普通、日本の歴史モノの話ではお金はもちろん出てくるのだが、お金よりもお米の方の比重が高い。国の力も経済力よりも、米の生産量である石高で決めるのが一般的である。

戦国時代の小説の中に「信長は誰某に500貫文を褒美として与えた」という記述があったとする。500貫文と言われてもピンと来ず、フーンと読み飛ばしてしまうが、本書だと「信長は誰某に500貫文(4,000万円)を褒美として与えた」という記述になる。

カッコ内に現在の貨幣価値に換算した値が書いてあるだけなのだが、一気に500貫文というお金の価値が頭に入ってくる。フーン、そうか、4,000万ももらったのか。いいな、あ、でも命かかってるのか。そうか、命かかってるならちょっと安いか?

なんてことを考えられるのである。

カッコ内に現在の貨幣価値を入れるというのは、誰もがやっていそうだが、私が読んできた中でこのように書いてあった歴史モノ小説は無かったと思う。

歴史小説では単位も当時のモノを使い、その時代の臨場感とリアルさを出そうとするので現在の単位で書いてしまうと逆に興ざめという事態も考えられるので本書のような小説が少なかったのかもしれない。

私の給料の減給分を当時の貨幣価値に換えてみると、1貫文が80,000円で計算されているので30,000円 ÷ 80,000円=0.375貫文となる。

0.375貫文と聞くとホトンド減給されていない気になる。

でもそういう気になるのは一瞬で、やっぱり気分は暗澹となる。

早く次の仕事を見つけよう。

スットコランドはどこだ? 『スットコランド日記』

スットコランド日記 宮田珠己

  • 書名:『スットコランド日記』
  • 著者:宮田珠己
  • ISBN:978-4344421233
  • 刊行日:2013/12/05
  • 価格:800円(税込)
  • 発行:幻冬舎
  • ページ数:430
  • 形態:文庫

宮田珠己との出会いは新潟県胎内市の越後の里というところで親鸞聖人の巨大像を見たことだった。

小さい頃に鎌倉のおばさんの家に電車で行く途中に通る大船駅。

そこに大船観音像があった。

東京駅からの横須賀線が大船駅に着く、窓の外を見ると、いつの間にか現れた大船観音像が私をジッと見ていた。

昼間に見るときはまだいいのだが、夜の闇に浮かぶ大船観音はこの世のモノではないモノのようで、アルカイックスマイルを浮かべて私を見る像の顔はとにかく怖かった。

それから10年以上経ち、大学生になっていた私は新潟で親鸞聖人の巨大像を見たのだ。

聖人と呼ぶのがはばかられるような悪人ヅラの親鸞像は私の幼き日の大船観音の記憶を呼び起こした。

東京に帰ってすぐにWebで検索したところ、『晴れた日は巨大仏を見に』のサイトが出てきた。

このサイトはおそらくどこかの出版社が運営していたサイトだったのか、宮田珠己が全国の巨大仏のレポートを書いていてその中に胎内市の親鸞聖人像の記事があった。

それ以来「巨大仏の人」という印象で私の心に残り続け、彼の著作を読むようになったのである。

本作は宮田珠己が東京(たぶん)の郊外にマンションを借り、そこから見える景色がスコットランドのようなので(実際に宮田珠己は行ったことはないみたい)「スットコランド」と名づけ、そこでの生活を日記として書いたものである。

読み進めるうちにスットコランドの場所が気になってきた。

どこだろうか?ここは。

国立市の谷保かな?と思ったが、近くに牧場のようなものがあるらしく、国立に牧場なんてあるか?

あ、京王線の百草園の近くには牧場があったから、そこらへんかな?などと考えてみたがどこだか特定するような要素は見つけられなかった。

特に大きな事件が起きたり、ドキドキハアハアする出会いがあったりするわけではなく、中年作家の日常がつづられるだけ。

興奮できる読書を求める人には向かないが中年作家の日常を眺めて、心を落ち着けたい人にはぴったりの文庫本なのであった。

ドラえもん全巻はいくらで売れるのか

ドラえもん てんとう虫コミックス

  • 書名:『ドラえもん』(1~45巻)
  • 著者:藤子・F・不二雄
  • ISBN:-
  • 刊行日:1974/7/31(第1巻の刊行日)
  • 価格:450円(1巻あたり、税込?)
  • 発行:小学館
  • ページ数:-
  • 形態:コミックス

我が家はこれから数ヶ月のうちに引越しをする予定だ。

引越しは荷物が少ない方がいい。

なのでいらないものを捨てるか、売るか、ということになった。

最初に白羽の矢が立ったのが「ドラえもん全巻」である。

数年前、たしか2005年の春か夏。

私は蔵前にあるおもちゃ問屋にバイトとして入り、初めてフルタイムで働き始めた。

と言っても水曜日には休みをもらい週4日しか働いていなかったので、「ほぼ」フルタイムである。

八王子の山の中にある大学を卒業し、1年近く映画撮影の真似事をしていた。

映画で食べていく!と周囲には言っていたが、よほどの努力とやる気がなければ映画で食べていくのは難しく、私には努力もやる気も、そして才能も・・・無かった。

そこでマジメに働こうと考えてまずバイトを始めたのである。

蔵前でのバイトの初めての給料で買ったのがドラえもん全巻である。

1冊450円なので45巻で20,250円でお買い上げであった。

実は小学生の頃に全巻を揃えていて、その全巻はどこかに行ってしまった。

だから人生で2回目のドラえもん全巻である。

2回目の全巻だからなのか、10巻くらいまで読んでこの話読んだことあるなと思ってそれ以降が止まってしまった。

で、ずるずると手放せずに今に至ったのだが、読まないのであればただのお荷物であり、さらにヤフオクで検索すると10,000円くらいで売れることがわかりヤフオクに出品することにしたのだが、ヤフオクは写真撮影に商品説明、さらに入金確認後の梱包・発送手配と結構面倒である。

以前にヤフオクへの出品を行ったのだが、結構な手間がかかり、高額な品を多数出品しない限り割りに合わないなと思っていた。

で、今回はヤフオクの代行屋さんに頼むことにした。

代行屋は、商品を送ると撮影から出品・発送まで全部やってくれる。

ただ、手数料を30%近く取られる。

しかし、手間を考えると代行屋の方が楽ではないのか?と考えて代行屋に送ることにしたのだ。

ドラえもんを全巻代行屋に送ると、忙しいのか出品まで3週間近くかかった。

さらに、やっと出品されたと思ったが出品価格が15,000円・・・

ヤフオクで売りたい場合に守らなければいけないルールがある、それはスタート価格が安いことである。

お客さんは同じ商品が複数出ていた場合まず現在価格が安い方をチェックする。

実際の落札価格がいくらになるかはわからないが、現状で安い方に注目するのはお客の心理としては当たり前のことである。

だからまず、安い価格で目立たなくてはならない。ちょっとでも高いと目に入らなくなってしまうのである。

ライバルがいない状態であれば値付けは自由であるが、ドラえもん全巻はライバルも多い。

わたしとしてはせいぜい10,000円スタートが妥当ではないかと考えていたので意外であった。プロであるはずの代行屋がそんなミスを犯すとは・・・

もちろんドラえもんは落札されなかった、私はすかさず代行屋に値付けが強気すぎるので次は10,000円くらいでいってくれないか?それがダメならキャンセルするとメールをした。

代行屋からはすぐに返信が来て、私らは3ヶ月間出品をし続ける、次は1万円で出す、キャンセルするならキャンセル料がかかる、キャンセルするか?

と来たので、じゃあもう任せる、好きにしろと返した。

3ヶ月出品をし続けるというのは、大体ヤフオクの出品期間は1週間程度だが、落札されなければ再出品ができる。

売れなかったら値段を変えて出品を繰り返すという意味である。

すぐにドラえもんは10,000円で再出品された。

で、結局ドラえもんは13,800円で落札されたのだ・・・

やはり私の読みは正しかった、代行屋の値付けはアホすぎると思ったのだが。

待てよ、これは代行屋の正しいやり方ではないか?と気づいた。

まず、できるだけ高い値で出す。

ここがポイントである、そもそも出品を依頼する人は自分の商品が安く売れるなどとは考えていない。

だから安く出したら怒られるのだ。

まず考えられる最高値で出して、徐々に3ヶ月かけて売れる値段まで落として行くのだ。

そうすれば代行屋はお客への義理は果たしつつ、商品は売れるということなのだ。

つまり最初に15,000円で出したのは私に対して、

「私らはあなたの商品がこれくらいで売れると思ってました、いい品物ですもんね」

というアピールなのである。

それに対して強気すぎるなどと言ったのは見当はずれなのであった。

で、結局私はドラえもん全巻に引き続きいらなくなったスマホやらを再度その代行屋に頼むことにしたのである。

『英雄の書』とNexus 5

英雄の書 上・下 宮部みゆき 新潮文庫

  • 書名:『英雄の書』(上・下巻)
  • 著者:宮部みゆき
  • ISBN:978-4101369334(上巻)、978-4101369341(下巻)
  • 刊行日:2012/06/27
  • 価格:704円(上下共に)
  • 発行:新潮社
  • ページ数:431(上)、414(下)
  • 形態:文庫

前回の投稿と同じ書き出しになるが、今年(2013年)の夏に河辺に住む友人の家に行き、その近くのブックスーパーいとうで井上靖の『四角な船』をついに見つけた話を以前書いた(→世界で4度目のやっと逢えたね)。

その時の友人(ここに書いている[ホシザキテツロウ])に本を数冊もらったのだが、その中の2冊が宮部みゆきの『英雄の書』上下巻だった。

以前から宮部みゆきは読みたいと思っていた。江戸ものを書いていると聞いていたのでいつか読めればと思いつつ今に至っていたのだ。

さらに「十二国記」シリーズも読みたいと思っていたが、今調べたら十二国記の作者は小野不由美であった。勘違いをしていた・・・

で、英雄の書である。

ある日主人公の小学生の友理子の兄が同級生殺傷事件を起こす。兄は失踪し、主人公は事件の当事者の家族となってしまう。

そんな時、兄の部屋に入った友理子に本が話しかけてきた・・・

兄は「英雄」に憑かれてしまったという、兄を助けに友理子は「無名の地」へと旅立つことになる。

と、RPGゲームのような展開の本書。

英雄の書を読んでいる最中、携帯電話を変えた。

Google(製造はLG)から11月に出た「Nexus 5」が気になっていて、携帯会社を変えてまで機種変更をした。

この「Nexus 5」だが最新のOSであるAndroid4.4を搭載した上に、CPUやメモリも最高クラスのものを積んでいて、なんと安い。

最近は世間はiPhone5Sで騒いでいたが、それよりもおそらく性能は上だ。

もともとiPhoneの使い心地のよさは知っているのだが、iPhoneはデータの管理が面倒である。

Appleの経営方針はユーザーを囲い込むという方式であり、使い心地はいいのだがデータの持ち出しなどが非常に面倒。

つまりAppleの提供しているアプリケーションを使わないとロクに使えないのだ。

居心地のいい牢獄に入れられているようで、結局居心地が悪いのだ。

数年前にiPhone4を初めてさわり、その便利さに感動したのだが、自分自身が使うスマートフォンはAndroidにしようと決めていた。

初めてのスマートフォンは2010年の11月に鳴り物入りで発売されたシャープのIS03だ。

iPhone4の数ヶ月後に発売されたこともあり、私は非常な期待を持ってIS03を購入した。

たしか5万くらいの機種代金を一括で払った。

しかし、このIS03はiPhone4とは比べ物にならないモッサリ感。

しかし、私は期待した手前、我慢をして2年間このIS03を使っていたのだが・・・

去年末に中古でHTCのJ ISW13HTを2万円くらいで購入した。

IS03とは比べ物にならないスピードと画面のキレイさで、さらに2万円ちょっとという破格での購入だったので私は大満足。

それをまた2年くらい使おうと思っていたのだが、今年の秋にNexus 5が発売となり大いに心を揺さぶられたのだ。

まず、このNexus 5は最初SIMフリー端末としてニュースになった。SIMフリーというのは携帯会社を選ばないということであり、携帯番号を記録したSIMカードを入れ替えればどの携帯会社でも使えるということである。

私はauユーザーだったので、auのSIMカードが使えるかをauショップに行って聞いてみたが、店員はよくわからないと言う。

そこでネットで調べるとauのSIMカードは使えないという結論が出ていたのだ・・・

そして私は携帯会社を変えてこのNexus 5を手に入れようと考えたのである。

EMobileでは機種代を含めて月額4500円くらいで買えるということを知った。

問題は機種代を分割で24ヶ月支払い続けなくてはならないということだが、それは4500円の中に含まれる。

auの携帯代が月額で7000円以上なので、それより安くなりさらにNexus 5も手に入るというすばらしい話だ。

しかし物事には裏があるので、まずauに電話した。

携帯代が今よりどれくらいまでなら安くなるのかを聞いてみたのだ。

しかし帰ってきた答えは、これ以上安くならないとの事。ガラケー(普通の携帯)のプランに戻せば安くなると言っていたので、スマホ使ったままプランだけガラケーにできますか?と聞いたら、そのような事は・・・と口ごもった。

口調からたぶんできるのであろうが、いろいろ面倒なことになりそうである。

なので、アリガトウゴザイマスと言って電話を切った。

それからNexus 5を販売しているEMOBILEに行った。

Nexus 5に変えると4,500円ほどになり、さらにキャッシュバックも着くとのこと。

その額は15,000円らしい。

で、決めたEMOBILEにしようと。

それでまたauに電話して解約の旨を伝えると、まず、誰でも割りというのの解約料が10,000円弱、それと電話番号を変えずに他社に移る際(MNP)の手数料が2,100円となるとのこと。

誰でも割りは9月の更新らしいので、9月に解約しないと解約料は絶対に取られるという話・・・

うーんそんなの覚えてない。

しかしキャッシュバックがあるからなんとかなると思い解約することにした。

それから再度EMOBILEの店に行くと、今度は新規契約手数料として3,150円かかるとのこと・・・

とにかく金がかかっていく、さらにキャッシュバックは15,000円じゃなくて20,000円らしい・・・

なんて適当なんだ。

とさまざまなめんどくさいことを経てNexus 5に機種変更したのだ、もちろん携帯会社はauからEMOBILEに乗り換えた。

で、電話番号は変わらないのだが携帯アドレスも変わった。

というかauのアドレスは引き継げない。

なので今回はGmailを使用することにした、今後携帯会社を変えることは大いにありそうなのでGmailを使っておけばずっとアドレスは変わらない。

で、みんなにアドレス変更のお願いを送信したのだが、Gmailを受け取れない設定にしている友人が多く(受け取れないのはほぼdocomoだった)、何人かはサヨナラしたのである・・・

と、まあ年末の携帯変更騒ぎはこのようにして終わったのである。

って英雄の書とまったく関係ない話だった。

謎のホームレス歌人を追う! 『ホームレス歌人のいた冬』

ホームレス歌人のいた冬

  • 書名:『ホームレス歌人のいた冬』
  • 著者:三山喬
  • ISBN:978-4167838966
  • 刊行日:2013/12/04
  • 価格:610円(税抜)
  • 発行:文藝春秋
  • ページ数:276
  • 形態:文庫

ちょうど読む本が無くなったので職場の近くの山下書店に入った。

渋谷にある山下書店は24時間営業をしていて、入ったのは通勤前の朝8時である。

いつも本屋に入ると文庫棚の新刊コーナーに行き、いい本はないかと探すのだが、今回はあまりピンと来るのがなかったので文庫棚を一通り見てからもう一度新刊コーナーに戻ってきた。

今日はやめようかなと思ったときに「ホームレス」の文字が目に入った。

私は常々「獄中記」に外れは無い!と思っている。

何でかと言うと、食べ物の話がとにかくグっとくるのだ。

牢獄に入っている時の楽しみと言えば食事くらいのものであり、ホトンドの人間は食べ物が好きである。

だから、刑務所で語られる食べ物の話はとにかくグッと迫ってくるのだ。

そして獄中記の次にはずれがないと思っているのが、飢餓線上をさまよう話である。

これもお話の中の大半を占めるのが食べ物の話となり、やはりグッと迫ってくるのである。

本屋に入ると獄中記に関連するワードと飢餓線上をさまようワードに私の目は反応するようになっているのだ。

だから「ホームレス」の文字が目に入り、頭の中で飢餓線上をさまようイメージが浮かび、すぐにレジに持って行った。

2008年の12月、朝日新聞の短歌のコーナーに異色の短歌が載る、何が異色かと言うと住所欄に「ホームレス」と書かれていたのである・・・

この短歌の投稿者は公田耕一と言い、それから9ヶ月あまりの間、朝日新聞の短歌コーナーに作品が載り続け、短歌愛好者の間で話題となるのである。

そして初めて投稿が載って1年を待たずして公田耕一は忽然と姿を消すのである。

その公田耕一を追ったのが今回紹介する『ホームレス歌人のいた冬』である。

著者は50歳を控えた南米帰りのフリーライターであり、フリーライター稼業をもうすぐ廃業しようと考えている。

と言っても50歳近くので再就職は難しく、どうしようか・・・悩む日々。

そしてそのフリーライター稼業の最後の仕事になるかもしれないと感じながら?公田耕一を探す「旅」に出発するのである。

公田耕一がいたと思われるのは横浜の寿町、日本3大ドヤ街のうちのひとつである。

ホームレスを体験するために野宿をしたり、ドヤに泊まったりして公田耕一が何を感じていたのかを筆者三山は探っていく。

そして公田耕一は見つかったのであろうか・・・

結末は読んでのお楽しみだが、公田耕一を探す旅は目的とは違うものを探し当てることになるとだけ言っておこう。

さわやかな結末ではない、でもズッシリと何かが深く心に落ちてくる読後感であった。

『頭医者』と聞いて昔の探偵モノだと思ったけど

『頭医者』加賀乙彦 中公文庫

  • 書名:『頭医者』
  • 著者:加賀乙彦
  • ISBN:978-4122020283
  • 刊行日:1993/09
  • 価格:-
  • 発行:中央公論社
  • ページ数:695
  • 形態:文庫

今年(2013年)の夏に河辺に住む友人の家に行き、その近くのブックスーパーイトウで井上靖の『四角な船』をついに見つけた話を以前書いた(→世界で4度目のやっと逢えたね)。

その時の友人(ここに書いている[ホシザキテツロウ])に本を数冊もらったのだが、その中の一冊が『頭医者』(あたまいしゃ)であった。

タイトルと表紙から探偵モノ?かなと思った。

犯人の頭の中を探る医者のような探偵が出てくるのでは?と思ったのだ。

しかし本を開いてみると、大学を卒業して精神科の医者になった青年(著者がモデル)の青春モノであったのだ。

T大の付属病院で働き、千葉の私立病院でアルバイトをし、東京拘置所に勤め、パリに留学する中で主人公が出会う奇人変人たちが大暴れする。

『頭医者』という題名は著者が精神科医に付けた名前である。いまいちなじみのないジャンルなのでわかりやすい名前がないかと考えたようだ。

青春モノは椎名誠の『哀愁の町に霧が降るのだ』が今まで読んだ中では最高峰だと思っているがそれに迫る面白さであった。

ついに開いてしまった禁断の扉~Webで読む無料漫画について~本との出会い

yjimage最近、Yahoo!のトップページに、漫画を無料で読めるコンテンツが毎日更新されていて、それを時々楽しんでいる。

今年からスマートフォンを買ったので、ついつい通勤中の電車内でネットを眺める時間が増え、その合間に、「無料でコミック毎日配信中(こんなコピーだったかは定かではないが)」というコピーを発見し、ついついそれに釣られ、見たのがきっかけだった。

今更新中なのは、『ジョジョの奇妙な冒険』『デス・ノート』『花より男子』の3つ。ちなみに僕が読んでいるのは『ジョジョの奇妙な冒険』である。

僕からすると、『ジョジョの奇妙な冒険』とは、「ついに出会ってしまったか」、というちょっとした感慨深い想いがある。というのも、読む機会は今まで沢山あったにもかかわらず、読まずにきた。そんな本だからである。

元々、漫画をそんなに読む方ではなかったし、どこかで漫画なんか読むのは時間の無駄だよなあと思うところが昔からあった。(小学校の頃の教育方針が漫画を買ってはいけない、というものだった)でも漫画だって面白いものは面白いと気づいてからはよくよく読むようになった。それに気づけたのは、学生の頃だった。

僕が学生時代の頃は、ちょうど、チェーンの大型古書店が流行りだしたときで、何より安価で手に入るし、宝探しをしているような気分になれるのが楽しくて、暇があればなんとなく、ブックスーパーいとうやブックステーション、BOOK・OFF、古本市場などによく通っていた。

そこで、今まで友人に薦められながらも読むことがなかった漫画に触れることになる。前述のように、自分の家庭環境が漫画を買ってまで読むような雰囲気(漫画は時間の無駄という雰囲気?)でなかったのも漫画に触れない原因のひとつだったが、そんなある意味抑圧されていた僕の漫画への購買意欲は、大型古書店で徐々に発揮されていく。

ちなみに、一度人の手に触れている本、古本というのは、色々な意味でどこかその買主にとって魅力があったものに違いないから、今は売り飛ばされて値段を下げられて本棚に甘んじている本なのかもしれないが、その本の内容に期待に胸膨らませた人がいるという過去を持っているはず・・・それにドキドキするのだ。

そう思うと、どれもこれも見返せば本当はいい本ばかりなのかもしれない、と僕は胸躍らせたものだった。

しかし、そんな学生時代の僕にも結局読まれなかった漫画のひとつ、それが実は『ジョジョの奇妙な冒険』であった。

友人にそのよく分からない不思議な世界やスタンドという特殊な技?などについて、魅力を語られたが、まずどうも、その漫画の絵が気持ち悪くて受け入れられない。設定もふざけている。登場人物の名前なんて、読者を馬鹿にしてるようなものばかりに思えた。

そんな思い込みが、古書店で手には取ってみたも中身を開くまでにはいたらない、そんな日々が続き、次第に縁遠くなり、そしていつか忘れ去られていったのであった。

そんな出会わずにいた僕と『ジョジョ』。それがスマートフォンでいとも簡単に出会ってしまったのである。

今はこんな風にスマホで漫画を気軽に読めるなんて普通かもしれないが、それを自分が楽しんでいるなんて。まだまだ大型古書店時代を忘れられない自分にしてみれば、本当に驚くことばかりだ。ネットもそうだが、まずその漫画を読めるアプリ?の仕組みから理解できないのだから。

読んでいて、後でデータ使用容量やら請求やらその他いろいろな大変なことが身に降りかからないか、もしかして自分はネットの甘い罠に陥っているんじゃなかろうかとふと思う。最近では特に必要最低限のことでしかネットに触れて調べたりしない生活のせいか、頭のどこかで不安がりながらも恐る恐る利用している感じだ。

まずあれほど気持ち悪がっていたはずの『ジョジョ』を読んでいる自分がちょっと怖い。ネットの甘い罠。それは手軽さと中毒性を以って、僕に『ジョジョ』を読ませている。カラフルな絵で僕に画面の「今すぐ読む」ボタンをクリックさせ、確かな物語の展開と世界観でグイグイ僕を不思議な世界へと引き込んでくる。

こんな甘い罠を仕掛け、禁断の扉を開かせた仕掛け人は誰なのだろうか。

『ジョジョの奇妙な冒険』と調べれば、たぶん有名な少年漫画なのでいろいろと分かると思うので内容紹介はしない。だが、一歩間違えば、何十年ももしくは一生出会わないこともあるのが、たぶん本との出会いというものなのだ。

今更新されているのは、2巻目の途中くらいまで。まだまだ先は長い。

そんな本との出会いの多様化にしみじみしながら、ジョジョの面白さに日々嘆息する毎日なのであります。