新・さ迷える転職大変記 第18話 「終章」

ついに年末の仕事納めの日に、合格をもらえた会社と給与面で合意ができた。

妻とも話し合って、そこに決めようということになった。

残ってるのは今の会社に辞めますと言うことだけだ。

長かった、まだ今の会社を辞められてないけど。

2度目の辞めます

正月の三が日が終わってすぐの仕事始めの日に、上司に「ちょっと話が」と切り出した。

2人で会議室に行き、上司に「辞めます」と言った。

2年以上前に「辞めます」と言ったときとは違い、上司は「やっぱり」という顔をした。

特に引き止められることもなくすんなりと「私が会社を辞めるのはOK」ということに。

それから社長室に呼ばれて社長とも話した。

社長は「残念が半分、ほっとしたのが半分」と言った。
つまり居なくなるのは残念だが、私の給与の負担がなくなるのはほっとするということだろう。
ずいぶん素直なことを言うと思った。

今の仕事は1ヵ月後の2月の初めまでという話になった。

引き継ぎ

辞めるのが決まってすぐに、数ヶ月前に辞めさせられた私の席の隣にいた同僚が復帰することになった。

つまり私の分の給与が浮いたので一人雇えるということなのだろう。

呼ぶ方も呼ぶほうだが、呼ばれてくる方も呼ばれてくる方である。

まあでもしかし、辞めさせるのは会社として結構重い決断だったのだなと思った。

それから取引先の印刷会社などにも辞める旨を伝えていった。

そして辞めさせられた同僚が復帰してきた。

それと同時に歓送迎会を行い、私の最後の日が近づいてきた。

最後の日はプレゼントをもらったりして、ちょっと涙ぐみながら会社を最後にした。

この会社には6年半くらい在籍したことになるのでかなり感慨深かった、さらに転職を考えたのが2年以上前、長かった。

転職初日

前の会社の最終日の翌日から新しい会社が始まった。

ブランクを空けたくなかったので翌日からにしてもらったのだ。

同じ渋谷の会社だが、反対側の改札で降りて歩いて行った。

前の会社と違い、社員たちはかなりゆっくり出社する。

11時が一応定時のようになっているので、初日に10時に会社に行った時ほとんど誰も来ていなかった。

社内の雰囲気もかなりゆったりしていてピリピリ感は非常に薄かった。

さらにスケジュール的な縛りもかなり薄い、というかホトンドない。

前の会社とほぼ真逆で最初は戸惑った。

4年経って

新しい会社に入って4年経った、前の会社の記憶がかなり薄れてきている。

書き始めて終わるまで3年以上かかったが、やっと終えられた。

前の会社に不満ばかりあったが、今の会社の在籍期間も4年過ぎるとあの不満も懐かしい。

実際に、前の会社と転職した新しい会社の何が違うか?と考えてみるが、あまり違いはない。

違うのは潰れそうか、そうではないかということぐらいである。

社長がいいか悪いかと言うのも、社長個人の性格や人徳ではなく大体は会社の景気次第なのだなという悟りみたいなものも出てきた。

次回はほんとの最終回で、この転職を総括します。

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